ケース�７遒飽貪� ページ9
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【ケース��】
「…は？
なんで口答えするの？
放っといてって言ってるじゃん」
大「いや口答えちゃうやん！
そんなイライラするんやったら、寝たらいいんちゃうの？って言っただけやん」
「…分かってるから黙ってよ」
大「…」
「っはぁ…」
月に一度訪れる、私が大荒れしてしまう時期。
生理前。
私はPMSの症状がひどい。
特にイライラ、八つ当たり。
忠義に当たっちゃダメだって心の中では分かってるのに、どうしても抑えることができない。
その結果、この時期は喧嘩が多くなってしまう。
今も、実際に黙りこんでしまった忠義にさらにイライラが積もる。
放っといてと言ってるくせに、こんなことを思うなんて本当におかしい。
なのに私の口も心も止まらない。
「…ねえ、水持ってきて」
大「わかった」
スマホをいじる忠義に声をかける。
放っとかれたらそれはそれで腹が立ち、なんとか忠義の気を引こうとしてしまう。
大「はい、飲み」
「…ん、ありがと」
ソファに寝転ぶ私の身体を起こしてくれて、
水を手渡してくれる。
優しさが染み渡って、嬉しい、のに。
水を渡してくれた瞬間、またスマホをいじる忠義。
何気ないことなのに、今はそんなことにも目がいってしまう。
「…ねえ、私よりもスマホが大事？」
大「え？」
「すぐスマホ触るね。
そんなに触らなきゃいけない用でもあるんだ？」
大「いや、そういうわけちゃうけど」
「私がこんなしんどい思いしてるのに」
大「俺やって分かってあげたいよ、そのしんどい気持ち。
でも分からへんねん。
なんで普段優しいAがそんなこと言い出すんか」
「私だって言いたくないのに言っちゃうから悩んでるよ」
大「うん分かってる。だからもういいよ、そんな悩まんで」
「なんで投げやりになっちゃうの？」
大「だから投げやりなってないって」
はぁ、と疲れた顔をしてため息をつく忠義。
その表情に胸がきゅうっと締め付けられて、自分何言ってるんだろうと我に返る。
本当に愛想尽かされちゃう。
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作者名：樹凛
| 作成日時：2021年4月30日 16時
