大杉駅 ページ11
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…席、交換してよかった。
だって、
窓の外を見るフリしながら、Aちゃんのこと見れるんやもん。
せこいって分かってる。
…でも窓の方から首を動かされへん。
…おれ、アホやなぁ。
安「…ちょっとお手洗い行ってくるな」
「いってらっしゃい、」
Aちゃんの微笑みに見送られて、おれはお手洗いへ向かう。
…一旦落ち着こう自分。
Aちゃんの横におったら、自分がおかしくなる。
トイレの前に到着すると、何人か並んでて。
…待つかぁ。
携帯をいじったりしながら長いこと待つ。
Aちゃん寂しがってくれてないかなぁ、とかアホなことを考えながら。
結局用を足してお手洗いから出たのは、席を立ってから10分ぐらい経ってた。
早くAちゃんの元に戻りたくて、早足で戻る。
おれらの席に着いて、一番に目に入ったのは、
首を傾けて目を瞑るAちゃんの姿やった。
…寝てる。
無防備なその姿があまりにも可愛くて、おれの頬が緩んでいく。
ちょうどAちゃんの頭はおれの席の方に傾いてて。
おれはAちゃんを起こさんようにゆっくり席に座る。
そして傾いて苦しそうなAちゃんの頭をそっとおれの肩に乗せた。
隣から規則正しい呼吸音が聞こえる。
それだけでアホみたいにドキドキしてもうて、自嘲気味に笑ってまう。
肩にかかる重みと、あったかい体温。
こんな幸せな感触、あるんや。
静かにそれを噛み締めてると、ガタン、と電車が揺れる。
その振動で隣の彼女はハッと起き上がった。
安「…起きてもうた?」
「っや…ぇっ、」
おれの肩から起き上がって、動揺してる。
「えっ…ご、ごめんなさい…!」
安「えぇっ、何が?笑」
「かっ肩…借りてたよね…?」
安「首めちゃくちゃ傾いててしんどそうやったから、笑
気持ちよさそうに寝とったし、」
「やだ…本当ごめんなさい…」
安「いやいや謝らんといてよ〜」
「…っ…」
顔真っ赤にして頭を抱えるAちゃんを横目に、
寝てる時は寝てる時で幸せやったし、
起きたら起きたで癒してくれるし、
すごい存在やなぁなんて思った。
[10:58 大杉駅]
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樹凛(プロフ) - ふづき♪さん» コメントありがとうございます^^ これからもよろしくお願い致します! (2021年1月31日 0時) (レス) id: 1075a57e8f (このIDを非表示/違反報告)
ふづき♪ - 完結おめでとうございます♪ハッピーエンドで終わって良かったです。。。。 (2021年1月30日 14時) (レス) id: 28031762bb (このIDを非表示/違反報告)
樹凛(プロフ) - みきさん» 初めまして。コメントありがとうございます^^嬉しいお言葉感謝です。これからもぜひよろしくお願い致します! (2021年1月29日 20時) (レス) id: 1075a57e8f (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 初めまして。完結おめでとうございます。少しずつ縮まっていく2人の距離にキュンキュン、ほっこりさせてもらい、日々の更新が楽しみでした!過去作品も少しずつ読ませて頂いてます。今後の作品も楽しみにしています♪ (2021年1月29日 16時) (レス) id: c6ee858f5f (このIDを非表示/違反報告)
樹凛(プロフ) - hinhink1206さん» コメントありがとうございます!四国が大好きで舞台にしてしまいました(笑)そう言っていただけて嬉しいです。これからもよろしくお願いします^^ (2021年1月19日 9時) (レス) id: 1075a57e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:樹凛 | 作成日時:2021年1月15日 17時