琴平駅 ページ8
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窓の外の景色を見ながら、Aちゃんとだんだん距離縮められてるかなっていい気になる。
つい数十分前のガチガチなAちゃんを思い出して、あれはあれで可愛かったなぁって。
距離が縮まるの嬉しいような、寂しいような。
…いや、断然嬉しいか。
安「眩しくないー？」
窓から差し込む光があまりにも強くてAちゃんの方まで伸びてる。
「ううん、大丈夫だよ。
陽の光浴びたら気持ちいいから」
安「むっちゃわかるわ、笑
パワーもらえるよな」
「…たまに自分、光合成してるのかなって疑うくらい」
安「んははっ、おもろ、笑」
カーテンを閉めようとしてた手を静かに下ろす。
おれも陽の光好きやから、同じ意見で良かった。
ホッとしたのも束の間。
___ ブー ブー
さっきも聞いたバイブ音。
案の定それはAちゃんの携帯で。
「もう見ちゃダメだよっ」
ロック画面を見られへんよう急いで携帯を手に取るAちゃんが可笑しくて、クスクス笑う。
「…あ…」
安「ん？どした？」
「…会社の人からの電話…」
安「あらら、急ぎの用なんかな？
出といで〜」
「ごめんね…ちょっと出てくる」
Aちゃんはそう言うと、座席から立ち上がって車両の連結部分へ移動した。
ぽつん、と取り残されるおれ。
一気に寂しさが押し寄せてきた。
それからしばらく待ってたけど、なかなか帰ってこうへん。
隣の空いた席が妙に切なくて、気を紛らわせようと携帯を触るけど、全然集中できひん。
結局Aちゃんが消えていった連結部分の扉を見つめることしかできひんくて、俯瞰的に見たら飼い主を待つ犬みたいやろうなぁ。
…ただ電話しに行ってるだけやのに、なんでこんな寂しいんやろう。
Aちゃんが戻ってくるのを今か今かと待ち侘びてる自分がおる。
…早く喋りたい
声聞きたい
早く戻ってきて
そんなおれの願いが届いたんか、連結部分の扉が開いてAちゃんが戻ってくる。
それだけでめちゃくちゃ嬉しくてにやけるのを抑える。
…こんな数分で寂しくなるとかやばいやんおれ
Aちゃんが隣に座ると、安心感と癒しが戻ってきた。
安「おかえり、」
「んふふ、ただいま」
安「重要な電話やった？」
「ううん、いつまで休みだっけー？って。
有給取って来てるから」
安「なるほどなるほど」
「はぁ怖かったぁ、
なんか怒られるのかなってビクビクしちゃった」
安「んは、心配しすぎや、笑」
［09:55 琴平駅］
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樹凛(プロフ) - ふづき♪さん» コメントありがとうございます^^ これからもよろしくお願い致します！ (2021年1月31日 0時) (
レス) id: 1075a57e8f (このIDを非表示/違反報告)
ふづき♪ - 完結おめでとうございます♪ハッピーエンドで終わって良かったです。。。。 (2021年1月30日 14時) (レス) id: 28031762bb (このIDを非表示/違反報告)
樹凛(プロフ) - みきさん» 初めまして。コメントありがとうございます^^嬉しいお言葉感謝です。これからもぜひよろしくお願い致します！ (2021年1月29日 20時) (レス) id: 1075a57e8f (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 初めまして。完結おめでとうございます。少しずつ縮まっていく2人の距離にキュンキュン、ほっこりさせてもらい、日々の更新が楽しみでした！過去作品も少しずつ読ませて頂いてます。今後の作品も楽しみにしています♪ (2021年1月29日 16時) (レス) id: c6ee858f5f (このIDを非表示/違反報告)
樹凛(プロフ) - hinhink1206さん» コメントありがとうございます！四国が大好きで舞台にしてしまいました（笑）そう言っていただけて嬉しいです。これからもよろしくお願いします^^ (2021年1月19日 9時) (レス) id: 1075a57e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：樹凛
| 作成日時：2021年1月15日 17時
