第43話 牽制 ページ44
『あ…ありがとう』
Aは受け流してしまおうかと思ったが、彼はこんな状況で冗談を言うような人には見えないし、真っ直ぐに向けられたその目には真剣さが感じられる
何と返事をすれば良いかわからず、少し間を開けて口から出たのがこの言葉だった
静まり返る保健室の扉をノックする音が聞こえる
Aは慌てて爆豪から離れ、どうぞと声を掛けた
扉の向こうにいたのは相澤だった
相澤「…爆豪、病人と怪我人以外は保健室へ行くなと言ったろ」
『あ、相澤先生…爆豪くんは階段から落ちた私を助けてくれて、ここまで付き添ってくれたんです』
相澤「…そうだったのか。悪かった」
爆豪「あぁ」
相澤「もう授業が始まるから戻れ」
爆豪「わーっとるわ」
『助けてくれてありがとう。またね』
爆豪が相澤の横を通り過ぎようとした時Aに聞こえないように囁いた
相澤「うちのが迷惑かけたな」
爆豪は一瞬目を見開いたが無言で相澤を一瞥して出て行き、保健室にはAと相澤の2人きりとなった
『相澤先生…何か御用でしょうか？』
相澤「あぁ…この件で」
相澤は机の上の雑誌を指した
『…これに書いてある事は事実ではありません』
相澤「あ…いや、表に何人かマスコミがいたんで注意するように伝えようと思っただけです」
『え…？あ…そうですか…ありがとうございます』
相澤「事実で無いとしてもノーコメントで通した方がいい。否定も肯定もしなければ噂なんてすぐに収束するだろうから」
『…はい』
相澤「それよりさっき階段から落ちたって……大丈夫なのか？」
『はい。爆豪くんが受け止めてくれたおかげで無傷です…』
爆豪の名前を出した時、ふいに先程の出来事が頭をよぎり顔が熱くなった
相澤「(爆豪と何かあったのか？)」
『相澤先生…』
相澤「何か？」
『私の事…誰に何と思われようとどうでも良いんですけど…相澤先生にだけは絶対に誤解されたくないです…』
相澤「それはどういう意…」
突然保健室の扉がガラッと開き、リカバリーガールが入ってきた
リカバリーガール「全く…根津の話は本当に長過ぎるよ。おや？イレイザーじゃないか。あんたの包帯は体育祭が終わったら取ってあげるからね。もう少し辛抱しなさいな」
相澤「…じゃあ俺はこれで」
相澤は保健室から出て行った
相澤「(ばあさん…間が悪過ぎる)」
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さくら(プロフ) - エワビさん、とても嬉しいお言葉をありがとうございます！ (2021年8月27日 22時) (
レス) id: 4e23a63de8 (このIDを非表示/違反報告)
エワビ - すっごいすこでした (2021年8月27日 16時) (レス) id: 1ec29ba6ed (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - sumeshiさん» sumeshiさん、こちらこそ読んでくださって本当にありがとうございます。妄想のままに書いているし、稚拙な文章で大変恐縮ですがこれからもよろしくお願いします。 (2021年6月2日 0時) (レス) id: 4e23a63de8 (このIDを非表示/違反報告)
sumeshi(プロフ) - 更新してくださりありがとうございます！そして、素敵なお話を作ってくださり、ありがとうございます！このお話が好き過ぎて何度も読み返してます！これからも楽しみにしてます(^-^) (2021年6月1日 23時) (レス) id: 6aab4e78fc (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - sumeshiさん» sumeshiさん、はじめまして。毎日楽しみにしてくださってありがとうございます。先程最新話を投稿致しましたので良かったらご覧ください。 (2021年6月1日 22時) (レス) id: 4e23a63de8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2021年5月5日 2時
