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憧れ1 ページ10

sideA

錦にオープンしたCherishの系列店はなかなか上手くいっていた。私も最初の頃は毎日のように出勤して様子を見に行っていたけど、今は週に2回程度しか行かなくても大丈夫になった。

ただ、女の子の面接だけは私がやると決めていたから面接希望が来たら飛んで駆けつけていた。
今日も岡崎で洗濯物を畳んでいたら、面接希望の子が夜に来ると言われたので、愛車のウルスを運転して錦まで向かう。

お店に入ると、お客様の入りは上々。
店長が控室に入ってきて、女の子が到着したと伝えてきた。


トントン


A「どーぞ」


女の子「失礼します」


そう言って入ってきた女の子はとっても可愛くて、体型も細身、少し緊張しているようだけど話さえ上手ければ合格だなって感じ。


A「座ってください。この店のオーナーの一条玲奈です。よろしくお願いします。名前と年齢と志望動機をお願いします。」


女の子「河野咲です。18歳です。志望動機は一条玲奈さんみたいなキャバ嬢になりたくて来ました。」


私に憧れて面接を受けにくる子はありがたいことに、少なくはない。


A「具体的にはどんなキャバ嬢になりたいの?」


咲「みんなから愛されるキャバ嬢になって、錦で1番になりたいです。あと、玲奈さんに昔、お会いしたときにすごく優しくしてもらえて、私もこんな風に人を喜ばせる人になりたいと思いました。」



そのとき、私の記憶が蘇った。



A「あ!あのとき、まんぷく家にいた子?」


咲「そうです!憧れてここまで来ちゃいました」


A「雰囲気変わったから、気づかなかった。こんな風に再会できて嬉しいよ!」



てつやとまんぷく家に行った日に声をかけてきた子の1人だった。



だいぶ大人っぽくなっていて、昔の面影がほとんどない。



自分に憧れて、ここまで来てくれたことが私はとても嬉しかった。

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作者名:はるか | 作成日時:2020年12月19日 10時

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