No.1【東海】 (ページ20)

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side虫眼鏡

ご飯の誘いを断られたあと、僕は彼女について調べた。

一条玲奈(28歳)
歌舞伎町Cherishで18の頃から働いている。
初めて2ヶ月目でNo. 1になり、以来一位を譲ったことはない。
夜の仕事をしてる人間で知らない人はいない存在

こんな有名な子になったんだ。

ただ本名や出身、大学とかは調べても出てこなかった。

打ち合わせで東京に来たついでに、お店に行ってみよう。

タクシーに乗って、cherishに向かう。

お店はこの前と何も変わってなくて

でも、入るのには勇気が必要だった。

「いらっしゃいませ。指名の子はいますか？」

虫「玲奈ちゃんでお願いします。」

「席はVIPでよろしいでしょうか」

虫「はい」

ボーイさんに連れられて、この間と同じ席に向かう。

「玲奈ちゃんそろそろ来るので、少しお待ちください」

緊張しながら、5分くらい待っていると扉が開いた。

虫「突然来てごめんね」

その瞬間、彼女の表情は一瞬、こわばった。

でもすぐに笑顔になって

A「来てくださって、嬉しいです！指名ありがとうございます。」

と言いながら僕の横に座った。

隣に座る彼女は、白の胸の部分を強調したドレスを着て、とても似合っている。

耳にはシャネルのピアス。

手首にはハリーの時計。

ダイヤが散りばめられているけど、彼女がつけると上品に見える。

お酒を入れてくれる手は少し震えていた。

話が弾んできたとこで出身や経歴を聞いたけど

嘘をつかれてしまった。

結局、彼女との距離は縮まらず、僕は帰った。

彼女の笑顔は昔、図書室で見た笑顔ではなくて

どこか少し寂しげだったけど

僕はそんな彼女の笑顔が頭から離れなくなった。