よくわかりません！ (ページ1)

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am6:00 ページ1

ピピッ、ピピッ…

静かな部屋に無機質なアラーム音が小さく響き渡る。カーテンの隙間から薄らと入る日差しは明るく、朝がきたことを実感する。

「…んー！！！」

大きく伸びをして自分を奮い立たせて立ち上がるけど、今日も会社に行くのは憂鬱だ。
ネチネチした上司の嫌味を聞きながら仕事をこなすのも、御局様から押し付けられる膨大な量の仕事を1人で片付けるのも、もう疲れてしまった社会人三年目の秋だった。

歯を磨きながら洗面台の鏡に映る自分を見つめると、暫く美容室にも行けていない伸びきったパサパサの髪の毛に、学生時代からは想像もつかないほど疲れきった顔をした自分がいて、少し悲しくなった。
オールで飲んでも次の日なんてことなかったのに。

あの頃とはもう違うんだ。

彼氏もいないし、当たり前だが結婚の予定もない。こうやって貴重な若い時間を無駄にして売れ残るんだろうな～…老後は1人か。

貯金ちゃんとしておこう。

朝から悲しいことを考えていたせいか、いつもの数倍ブルーになったけどそんな日だって出社しなければいけない。
会社行くだけなのに、化粧をして髪の毛をセットする自分を褒めてあげたい。どうせ誰も見やしないのにね。

【今日の1位はおとめ座！人生が変わる大きな出来事があるかも！ラッキーアイテムは水色のハンカチ！】

「…今日1位だ、」

いつもは雑音にしか聞こえないテレビの声が今日は何故かしっかり耳に入って、星座占いの1位で喜べるなんてまだまだわたしも可愛いところあるじゃん、なんて考えながらしっかりと水色のハンカチを選んでいた。

「行ってきます」