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そのまま彼の髪を撫で続け、途中で何度か子がぐずり乳を与え、勝手に棚を漁り、おしめの代わりになるものを勝手に使った。
赤子がないても猗窩座はなんの反応もみせることがなかった。
日も落ち始め、外が赤紫色になったであろう頃。
また、赤子がなき、猗窩座を撫でていた手が止まる。
「あら。さっき乳もおしめも変えたでしょう?ねんね、ねんね。」
赤子をあやし始めると、今度は猗窩座が少しだけ顔を上げ、目だけこちらを見ている。
うるさかったのかもしれないと思い、立ち上がると、服を引っ張られて座らされた。
猗「……ここであやせばいい」
そう言われて、顔が思わず緩んだ。
と言っても、口角が少し上がっただけかもしれない。
だが、すごく嬉しかった
猗「…ソレの名前は決めないのか。」
「そうですね。」
猗「夫は死んだと言っていたが、死ぬ前に何も話していないのか?」
「……少しだけ話しておりました。」
猗「なぜ言わなかった」
「…1文字しか決めていなかったのです
でも、私が勝手にですが、考えていたものはあります。今日貴方の横に座っていて沢山考えたものからひとつに決めました」
猗「そうか。」
「…琥狛、琥狛です王に虎と書いて、こ
狛笛の狛で琥狛です。」
猗「…………こはく。…ぐっ!!」
「猗窩座さん!?」
猗「よるな!!……ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
瞬きひとつだった。
琥狛の名を言ったあと、猗窩座は頭を押え、辛そうにして、フラフラと立ち上がり、髪の毛をむしり取ってしまうのではないかと言うほど、髪を強く握りよたよたと歩いたあと叫んだ。
そして、瞬きをした頃にはいなくなっていた。
猗窩座にとって、生前の名が「はくじ」であることはとうに忘れたはずの記憶だった。
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んびゃ。
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夜月─《 *無人* 》☆(プロフ) - んんん猗窩座の髪を触りたい!! (2020年1月2日 18時) (レス) id: 7f57af0fb7 (このIDを非表示/違反報告)
苺 - あかざ あかざ あかざ あかざ あかざ あかざ きったー☆☆☆もう!あかざ尊い!ヤバイ ヤバイ!私、あかざ推しなんスよ!ありがたやーありがたやー 更新頑張って下さい! (2019年12月21日 11時) (レス) id: 093734a85d (このIDを非表示/違反報告)
鬮花(プロフ) - 腐った杏仁豆腐さん» 猗窩座の髪の毛はきっとフワフワサラサラ........... (2019年12月19日 22時) (レス) id: abe71cbe1d (このIDを非表示/違反報告)
腐った杏仁豆腐(プロフ) - ああ……自分も頭ナデナデしたい……アッ画面が邪魔でできない…誰かちょっとトンカチないっすかね。 (2019年12月19日 4時) (レス) id: 95a5539ad5 (このIDを非表示/違反報告)
鬮花(プロフ) - わごむごむさん» 初めてのコメントだァ!!!凄く嬉しいです!!ありがとうございます!!! (2019年12月14日 21時) (レス) id: abe71cbe1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鬮花 | 作成日時:2019年12月5日 0時