しゅわしゅわレモネード【Kento.N】

◯お兄ちゃんにはお見通し＊体調不良 ページ34

恭平side



恭平たぶん謙杜熱あるっす、今寝とるけど


少し眉間に皺を寄せながら寝息を立てる年下の同期を見ながら、そうLINEにメッセージを送る。この間謙杜の誕生日祝うために即席で作られたグループ、こんな要件で一ヶ月越しにまた動かすことになるなんてなぁ。




今はお昼の13時過ぎ。他のメンバーは個人仕事あるけど俺と謙杜だけは午前中オフで、ちょっと早く来てゲームしようや〜なんて話したのが昨日のこと。でも少し遅れて楽屋に入ったら、謙杜はすやすや寝息を立てとって。



よく見れば、いつもこだわって付けとる指輪だってしてないし、いつもやったら丁寧に汚れないように置くバッグも、無造作にソファの下にあって。違和感しかないやんって顔を覗きこめば、少しだけ悪い顔色と、気持ち早く上下する胸。ごめんなぁってささやきながら小さな顔に手を添えれば、ほんのりと熱が伝わってきた。


ってなわけでメンバーにLINEしたわけやけど、誰が気づくの早いかな。体調悪そうな謙杜を前にちょっとそわそわするけど何かできるわけでもないし、とりあえずゲームしとくか。





.





「ん、んん……たかぁしくん…？」


「あ、謙杜起きた？大丈夫か？」

「へ…えっ…？おん、だいじょぶやで」

「そか。もうさっき丈くんと大橋くん来たけど他のみんなはもう少しかかるって。まだ寝てても大丈夫やで」

「んー……」



可愛い鳴き声とともに目を覚ました謙杜はまだめちゃくちゃ眠そうで。やっぱり体調悪そうやな、そんなにひどいってわけではなさそうやけど。まだ寝とき、って遠回しに促せば素直にまた目をつむったそのタイミングで、トイレに行ってた2人が帰ってくる。




「謙杜どんな感じなんー？」

「あ、今ちょっと起きたんすよ。寝起きでほやほやしとったけど、めっちゃ体調悪いってわけではなさそう」

「そっかー。聞いた？今日の収録、大縄跳びやって。」

「え、それまずいんちゃう」

「そやけど、次の収録日2週間後やんか…」


そう丈くんが困った顔をして、俺らも同じ顔になってもうた。できれば延期したいけど、どうやろな…。



「とりあえずギリギリまで寝かせてあげて、それから決めよか」

困ったように笑いながら大橋くんがそう言って、俺はため息をつきながら頷いた。

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