28% ー藤原丈一郎ー ページ28
橘 A
初めてその名前を聞いた時、誰もが嫌悪感を抱いた。
特に抱いてたんが、きっと俺。
でも、心を開いたんは割と早かった。
その子に最後まで心を閉ざしてたんは、間違いなく大吾と康二と廉。
大吾と廉なんか、同期やのに。
3年は掛かったなあ。
まいどジャーニーでの辛辣さ。
結構見てられへんかった。
流星と柊真、紫耀が居って良かったと思うくらい。
ファンの子にバッシングを受けて、身内側からもフルバッシング。
それでも、入って約1年は確実に泣いてる所なんて見たことがなくて。
そんな中で耐え抜いてきたその子は、強くて、優しくて、格好良い。
そんなAが初めて涙してる時を見た時、電気が走ったみたいな感覚で。
それは、
1人でレッスン後に練習してる時やった。
悔しい、と呟いて泣いたその子は、俺の姿が見えた時、一瞬驚いて、すぐに立ち上がって俺に会釈した。
会釈した顔を上げた時はもう、涙の跡もない。
なんやねんこいつ、それが俺の素直な気持ち。
丈「なあ、辛くないん？」
『なんでですか』
丈「え？」
『なんで、そんなこと聞くんですか？』
丈「いや、ほとんど一人みたいなもんやん。敵ばっかりやし。辛くないんかなって思って…」
その時のAの目は忘れない。
強く真っ直ぐ俺を捉えた目。
その視線から目を逸らせない俺。いや、逸らさせてくれない、そんな目。
『辛いですよ、もちろん。分かり切ってる答えです。でも、敵ばっかりなんてどこに居てもそうです。貴方達も、敵ばっかりじゃないですか。デビューを目指す敵。それともなんですか？デビューを夢見てない？そんなことないですよね？』
何も、言えなかった
『みんな、独りぼっちなんです。きっと。それでも、私は貴方達に追い付きたい。ううん、追い越したい。性別の壁なんて知らない。実力行使です。ギャフンと言わせてやります』
拳を俺の方に突き出して笑うAは、綺麗だった。
俺が出会って来た女の子の中で、比べられないくらい一番。
その頃から、心を許してたんかな。
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ゆー(プロフ) - たぴおか。さん» 嬉しいです(;_;)リクエストもありがとうございます！ちょっとネタに詰まっていたのでありがたいです！書かせて頂きますね(^^) (2019年5月31日 22時) (
レス) id: 2fb54a725d (このIDを非表示/違反報告)
たぴおか。 - 春眠のお話大好きです主人公ちゃんが泣いててそれを慰めるみっちーが見たいです (2019年5月30日 21時) (レス) id: 6737e085fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆー | 作成日時：2019年4月22日 22時
