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紙皿に盛られたカレーを頬張りながら、黒尾さんがへぇ、と漏らした。
「ポジションは？」
「レフトです」
「ってことは、打つのか」
美波を置いてけぼりにしてしまっているのに後ろめたさを感じた私だったけれど、それも杞憂だったらしい。
彼女はいつもそうだ。知らない話題にもにゅるりと入ってきて、いつの間にか溶け込んでいる。
「Aめっちゃすごいの！ 超高く飛ぶし、スパァンって打つ！」
「ほーん」
ニヤニヤとした笑みを貼り付けて私を見る黒尾さんにいたたまれななくなる。
手放しでほめられるのはまぁ悪い気はしないんだけれども、と謙遜の言葉を並べた。
「まあ男子ほどは強くないし、私も163しかないし、あれなんですけど」
肩をすくめて、うどんをすする。黒尾さんも夜久さんも、何も言わなかった。
――あ、こういうところだ。と思った時には、手遅れだった。
途切れた会話が運んできた沈黙に、体中の血の気が引く。
初対面の人にそんな謙遜されてもフォローのしようがないことくらい自分でもわかっているのに。
だが、やっぱり美波は美波だった。
頬張っていたカレーを飲み込んだ彼女が、スマホを取り出して、見て見て！ と二人の前に差し出す。
「これAのユニ姿！ 超かっこいいよね！」
勝手に私の写真を見せるのはいただけないけれど。
白と黒、金茶のユニフォームを着てピースサインをする私のその写真は、確かに試合を見に来た美波にとられたものだった。
「もう、私のユニ姿なんてどうでもいいから！」
「いいじゃんいいじゃん」
「あーもう、黒尾さんと夜久さんのユニ姿の写真とかないんですかっ」
話題を逸らそうと顔を覆いながら言ってみたら、おっあるぜあるぜと意外と乗り気で黒尾さんが写真を見せてくれる。
赤と黒のユニを着た黒尾さんと、白のユニを着た夜久さんとが満面の笑みで映っている写真があった。
「えっめっちゃカッコいい！」
「いいだろ〜」
美波の言葉に気をよくしたらしい二人が、嬉しそうに笑う。
彼女のおかげで繋がった場。彼女のその人柄に感謝しながら、私はうどんをちゅるんと吸った。
「こんなにかっこよかったらやっぱ、彼女さんとかいるの？」
サラッとぬかりなく記事の内容を実践する美波に、私は危うくうどんを鼻から出すところだった。
確かに彼女の有無は早めに確認しましょうと書いてあったけれども。
「え？ 居ねえよ」
「俺も」
答える二人も二人、なのか……？
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まい(プロフ) - 続きみたいです！ (2018年10月18日 20時) (
レス) id: 0b9e9f9364 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - 続き見たい~ (2018年10月17日 21時) (レス) id: cdb3fa391f (このIDを非表示/違反報告)
彗羽(プロフ) - うはー！！最高でした！！春高予選まで再会はお預けかー、と思いきやの不意打ちの黒尾からの連絡先交換申請！！オチも素晴らしいです...ステキな作品をありがとうございました！ (2018年10月12日 22時) (レス) id: 3386061a83 (このIDを非表示/違反報告)
沙耶香 - 素敵な作品ありがとうございました。 あとがきを読んで突貫工事なのか？と思う程完成度高かったです。文の中でキャラクターが活きているなと感じました、あ"ー続き気になるー！って叫びそうになりました。 (2018年10月12日 21時) (レス) id: 4038676c9e (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - すみません、友達と失笑、です！！ (2018年10月12日 21時) (レス) id: 46ee89b114 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな
| 作者ホームページ：https://twitter.com/pp__synd
作成日時：2018年10月8日 21時
