予期せぬ再会 ページ8
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2限目が終わって、お昼の時間。
今日は広場でお弁当、食べようかな。
窓の外に映る気持ちよさそうな青空に惹かれ、荷物を抱えて教室を出ようとしたその時。
出会い頭で人とぶつかりそうになった。
なんとか寸前で立ち止まり、顔をあげると。
深澤「おっ、ちょうどよかった！」
そこにいたのは、昨日合コンで会ったふっかさんと岩本さんだった。
深澤「Aさん、昨日ぶり！ 俺のこと覚えてる？」
「えっと、ふっか、さん……ですよね」
深澤「えっ、そう！ 覚えられてないと思ってたわ！ いやーまさかあだ名で覚えてもらえるとは」
岩本さんがそう呼んでいたのを覚えていたからだけど、嬉しそうにしているふっかさんを見ていたら、本当のことは言えない。
でも、まさか昨日の今日で会うとは思わなかった。
もう会うこともないと思っていたのに。
「あの、誰かに用でしたか？」
学部が違う2人がここにいるのは、目的があってのことだと思う。
深澤「そう、Aさんに」
「え、私……？」
深澤「うん、でも俺じゃなくて……こっちね」
ずいっとふっかさんに背中を押され、岩本さんが私の前に押し出される。
まだ一言も発していなかった岩本さんと、視線がぶつかった。
岩本「……、」
「……？」
岩本「…………、」
深澤「おーい？」
岩本「……っ、」
気まずそうに視線を泳がせている岩本さんは、何か伝えたいことがあるのか口をもごもごしている。
岩本「……連絡先、」
「え？」
岩本「連絡先、教えてほしい」
低く少し早口なその言葉は、確かに私の耳に届いた。
でも、予想外の言葉だったから完全にフリーズしてしまった。
岩本「嫌だったら断って。彼氏いるとか」
「……彼氏？」
岩本「昨日の幼馴染」
亮平のことを言ってるとわかって、私は慌てて首を振った。
「ち、違います。ただの幼馴染で……彼氏はいません」
深澤「やったじゃん、照！」
喜ぶふっかさんを鬱陶しそうに払いのけた岩本さんは、今度はしっかり私を見つめた。
岩本「……じゃあ、いいの？」
ポケットからスマホを取り出した岩本さんに、私は少し緊張しながら頷いた。
無事に連絡先交換を済ませて、自分のスマホを凝視する。
亮平以外の男の人の連絡先が登録されたことに妙な新鮮さを感じた。
ちなみに、ふっかさんとも一応連絡先を交換した。
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作者名：ななせ | 作成日時：2024年3月10日 17時
