気になる Yellow Side ページ6
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今日は2限目からの講義、教室に入ると真っ先に俺を見つけたふっかが手をあげる。
隣に腰をおろすと、ふっかはニヤニヤしながら俺を見てきた。
深澤「で？ どーなったのよ」
「は？ 何が」
深澤「何がじゃないでしょ。Aさん！ 持ち帰ってたっしょ？」
A……。
心の中で反芻したところで、思い出す。
「ああ、AA」
深澤「そう！ どこまでいった？」
下世話なことを聞いてくるふっかに、少しイラっとする。
「何もしてねーわ。てか、持ち帰ってもねぇし」
深澤「えっ、あれ持ち帰ったんじゃないの！？」
鞄からノートや筆記用具を出しながらそう答えると、ふっかは至極つまらなそうに項垂れた。
「つーか、タピオカっつってたろ！ 騙してんじゃねぇよ」
深澤「それは悪かったって……。数足りなくてさー、合コンって素直に言ったら照来てくれなかったっしょ？」
何が数が足りないだ。
お前の人脈なら数が足りないくらいすぐに埋め合わせられんだろ。
なんで騙さないと連れてこれないような俺をわざわざ選んでんだ。
深澤「やっぱさ、顔がいい人じゃないとダメっしょ。照は、黙ってると怖ぇけど顔いいしな」
「ま、俺ほどじゃないけどー」とへらへらしてるふっかに、苛つきが限界を超えて、ノートで軽く頭を叩いてやった。
てか、俺が思ってることを見透かされてんのもなんかムカつく。
深澤「でもさ、そもそもなんで二人で抜け出す流れになったわけ？」
珍しい行動だと言われて、昨日のことを思い出しても確かにそうだと自分でも思った。
なんで、あの時" 抜け出そう "なんて言ったんだろう。
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作者名：ななせ | 作成日時：2024年3月10日 17時
