初恋を始めましょう (ページ12)

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大好きな時間ページ12

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岩本さんと束の間の楽しいひと時を過ごせて、素直に心が浮かれている。
別れ際に、「LINE、暇なときにする」と言ってくれた。

「……、ふふ」

今日の講義をすべて終えて、近所の大きな図書館に来ていた。
本に集中したいのに、お昼の時間を思い出してしまって顔がにやけてしまう。
口元を押さえてなんとか誤魔化すけど、周りの人に怪しがられちゃうな。
自分でも、どうしてこんなに浮かれちゃってるのかわからない。
きっと、今まで大学では一人で過ごすことが多かったから、" 友達 "と仲良くしているような気分になれたからだろう。

阿部「にやけちゃってどうしたの？」

「え、あっ亮平！いつの間に来てたの？」

阿部「さっき。……で、なんかいいことでもあった？」

隣の椅子を引いて腰かけた亮平が、私に視線を送る。

そんなに顔に出てたかな。
でも、亮平は私の些細な変化にもすぐ気付くから隠し事が出来ない。

「実はさ……岩本さんと連絡先交換したんだ」

言いながら、またにやけているのが自分でもわかる。

阿部「岩本さんって、昨日の？」

「うん、今日のお昼の時間も一緒にご飯食べながら色々お話してね。すっごい楽しかったな」

鞄から色々な教科書を取り出す亮平の相槌が聞こえる。

亮平はいつも隣で、医療に関する勉強をしていることが多い。
私も読書をする日もあれば、大学の課題を図書館ですることもある。

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