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｢ナニ、これ、外されたらやべーヤツなの？｣
オーバーブロットを彼は起こさなかった。
なんだ、どういうことだ。
混乱し、ずっと砂浜の方を向いていると、いつの間にか目の前の人魚はいなくなっていた。
素早く傍に置いてあった袋を被り、僕は家に帰った。
｢おか、お母さんっ｣
｢…おかえり、A。そんなに慌ててどうしたの？｣
言った。
全てを話した。
オーバーブロットを起こさない人魚が居たと。
性別はきっと、男だろう。
そのことは、そのことだけは取り合えず話さないでおいた。
｢…運命の相手何じゃない？｣
そういった母の嬉しそうな顔を覚えている。
｢…はぁ｣
部屋で授業を受ける。
オンライン、みたいな感じで。
僕がオーバーブロットをさせることを学園長に筆記で話せば、こういう感じで授業を受けることに。
｢あー、意味わかんない｣
ぶつくさ文句を言いながら、カリカリとマジカルペンでノートにまとめていると、
僕の部屋の扉がドンッと激しい音をたてて開いた。
驚いた時に声をあげない。
そういう訓練を頑張ってした。
なので肩がびくりと跳ねただけ。
｢なんだ〜、声がするって思ったらダツちゃんじゃーん｣
ダツ…？
ダツとは…？
｢つまんねー。ていうかこの袋なに？とれば？｣
｢え？うわっっ｣
頭に被っている袋を外された。
それに、喋ってしまった。
終わった終わった終わった終わった。
コイツ…確かフロイドだ、ヤバい方の。
オーバーブロットしたら大変な事になる。
自分の身を考え、机の下に潜った。
目をつぶり、頭を守るが、いつまでたってもオーバーブロットする気配がない。
｢…なにしてんの？｣
｢……え？｣
意味がわからない。
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続く (更新停止中)
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作成日時：2023年5月9日 19時
