【夏目友人帳】嗚呼、あなたは (ページ7)

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鳥ページ7

『む。男だ、男が来たぞ』

『なんだ細っこい奴だな』

『それに白い……モヤシのようだ』

「Aさん……」

俺には見えてるし、聞こえてる。

『なーに？』

それにAさんはクスクスと笑っている。

「なんですか、その頭のやつ」

待ち合わせの場所に行くと

先に来ていたAさんの頭の上に

鳥のような妖たちが三羽乗っていた。

『ここに来るまでに会ったからお友達になったのよ』

「そうですか…」

鳥たちのほうを見ると

『我らのことが見えるのか！？』

『モヤシのくせに生意気な！』

「俺はモヤシじゃない！」

『はいはい。皆でお散歩するよー』

俺は悪口を言われながら過ごさなきゃいけないのか……。

・

・

『おいモヤシ、我は喉が渇いたぞ！』

『私は腹が減ったぞー！』

『なんかくれー！』

……………うるさい。

「Aさん…」

『あはは、ごめんごめん。

数が多いほうが楽しいかなって』

飄々と彼女は言った。

『おい！Aも腹が減っただろ！』

『喉が渇いただろ！』

『はいはい。

夏目、街のほうに行きましょ』

「わかりました」

『私はソフトクリームが食べたいわ』

『ソフトクリームとはなんだ！』

『俺は知っているぞ！

甘くて、冷たいものなんだ！』

『あら、物知りね。

とっても美味しいのよ』

………なんか、

「ここには我儘しかいないのか…」

今日はある意味山登りより疲れそうだ。