第47話 ページ47
｢おら、さっさと寝ろ！｣
｢やだー誰か一緒に寝て！！｣
｢死ね！！｣
バン！！！
思いっきり扉を閉める。
はぁくそめんどくせぇ。もうこいつと飲みいくのやめようかな。
なんて毎回思うけど、誘われると毎回行ってしまう意思の弱さは折り紙つきである。
｢A帰れる？｣
｢大丈夫だよレトさん、15分くらい歩けばつくから｣
｢いつもごめんね｣
申し訳なさそうに言うレトさんはわたしの癒しだ。
いや全然歳上なんだけども。
｢せんせー送ってあげてよ｣
｢あ？｣
｢え？｣
レトさんの一言に、わたしとあろまさんの声が被った。
え？何言ってんのこの子？いや歳上だけど。
｢別にいいけど｣
｢いやいやいや大丈夫です、帰れるので心配ご無用でござる｣
｢ござる｣
｢ござる｣
なんだござるって。我ながら頭おかしい。
そして復唱すんなや恥ずかしいじゃろがい。
わたしは先程から、なんとなくあろまさんの顔を見れないでいる。
いや、だって恥ずかしい。
普段は見れないものが、見ちゃいけないものがそこにある。しかも、とっておきの予想外を携えて。見れるはずがない。一緒にいられない。１人で帰ります。
｢だめだよA！俺が心配だからお願い、送ってもらって？｣
｢酒入ってんだろ？襲われても知らねーぞ｣
｢‥‥‥‥｣
レトさんのお願いか‥‥。
ぐう‥‥‥‥。
｢‥‥お‥‥‥‥お願い、します‥‥｣
｢ほいきた｣
絞り出すように、俯いて答えれば、あろまさんはぽん、とわたしの頭に手を置いた。
｢行くぞー｣
｢せんせー頼んだよ！Aまたね！｣
｢ばいばいレトさん！あろまさんよろしくお願いします｣
｢ういー｣
レトさんに手を振って、すたすたと前を歩くあろまさんを追いかける。送るっつってんのに置いてくとはどういう了見だおい。
｢お前あいつらと仲良かったんだな｣
静かな夜道に、あろまさんの声が響いた。
今は2人で並んで歩いている。
｢ええ、まぁ｣
｢俺のだとか言ってたけどなに？キヨとそんな感じ？｣
｢まったく違いますね。酔っ払いの戯言です｣
｢ウケる｣
笑うあろまさん。
やばい、めちゃくちゃ緊張している。何故、何故こんなに動機がする？顔か？こやつの顔か？
｢‥‥ちょっとこっち向いてみ？｣
上から声が聞こえて、びくっ、と肩が揺れたのが自分でもわかった。
え、いや。
｢‥‥む、りです｣
｢なんで｣
｢‥‥ちょっと、諸事情があって｣
｢なんだそれ｣
無理無理無理。
見たらきっと、余計心臓おかしくなる。
→
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こばやし(プロフ) - うるみさん» コメントありがとうございます！書いてる本人もちょっと笑ってました！これからも頑張ります！ありがとうございます！ (2017年5月15日 23時) (
レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
うるみ(プロフ) - どうしてくれるんですか！腹筋崩壊したじゃないですか！あなたは神ですかｺﾉﾔﾛｰ!面白すぎ！ (2017年5月14日 16時) (レス) id: 3e99147b7d (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございます！1番だなんて！！なんと嬉しいことでしょうか……！大変励みになります！このままもりもり書き進めてゆきます！頑張りますっ！ (2017年4月29日 4時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 新作楽しみにしていました！このジャンルではこばやし様の作品が1番好きです！更新楽しみにしています！ (2017年4月29日 3時) (レス) id: 77fd8cb64d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年4月29日 1時
