第40話 ページ40
｢おーい｣
ゆらゆらと揺すられて、閉じていた目を開ける。
低い声が零れてくる唇を、ぽおっと見つめた。
頭の中がふわふわして、気持ちいい。
｢‥‥‥‥彼氏？｣
｢‥‥え？｣
戸惑ったような短い返答に、ハッとした。
あれ？わたし寝てた？寝ぼけてた？
｢‥‥わぁ！！｣
｢おあっ｣
｢あ、起きた｣
ばっと起き上がる。
周りを見回せば、ここは自宅じゃない。楽屋だ。
わたし寝てしまったのか‥‥！！
勢いよく振り返れば、わたしを揺すっていたのはえおえおさんだ。
そしてよく見れば、しゃがみこんだ彼のまわりには同じように他の３人もいて。
｢こんなとこでも居眠りすんのか｣
笑うあろまさんの声に、ぶわ、と顔が熱くなる。
｢えっ、あ、なに、えっ！？｣
｢いまえおえおのこと彼氏だと思った？｣
｢ち、ちが、え、｣
｢起きて第一声が彼氏かよ！！彼氏大好きかよ！！爆発しろ！！｣
｢うるさ！！｣
FBさんの大きな声に、完全に目が覚めた。
やばい、わたしくそ恥ずかしい寝言言ってた！！！
｢貴重なAちゃんの寝顔見ちゃったーらっきー！｣
｢きっくん写メあとで送って｣
｢何してんですか！消して！！｣
｢そっかーAちゃん彼氏いるのかー｣
｢いませんから！！殺すぞ！！｣
｢口悪！！！！｣
それぞれ違うこと言ってて混乱するから1人ずつ喋れよ！
とりあえず彼らが立ち上がったのを見て、わたしもソファから降りてテーブルにあるペットボトルを目指す。
よかった、マスクしててよかった！
｢どんな夢見てたの？｣
お茶を飲むわたしを見ながら、きっくんさんが聞いてきた。きっくんさんには顔を見られてるから問題ない。
さっとペットボトルを閉めて、マスクを戻す。
｢独り身女の悲しい願望が詰まった幸せな夢です｣
｢相手はえおえお？｣
｢勘弁してください｣
｢おいどういう意味だ｣
えおえおさんが珍しくつっこんだ。
正直、どぎまぎしていた。
これでわたしが寂しい彼氏無しだとバレたわけだし、普通に考えて、えおえおさんに向かって彼氏？だなんて正気の沙汰じゃない。失礼すぎる。身の程を知れ。ほんとごめんなさい。
｢大丈夫だよAちゃん、えおえおも彼女いないから！｣
｢なにが大丈夫なんですかねぇ｣
｢お前余計なこと言うなよ｣
｢なんなら俺が彼氏になってやろうか？｣
｢なんで無駄に上から目線なんですか｣
｢結構尽くすよ？一途だし｣
｢絶対嘘じゃん！！｣
もうそのニヤけた唇どうにかしろ。
→
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こばやし(プロフ) - うるみさん» コメントありがとうございます！書いてる本人もちょっと笑ってました！これからも頑張ります！ありがとうございます！ (2017年5月15日 23時) (
レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
うるみ(プロフ) - どうしてくれるんですか！腹筋崩壊したじゃないですか！あなたは神ですかｺﾉﾔﾛｰ!面白すぎ！ (2017年5月14日 16時) (レス) id: 3e99147b7d (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございます！1番だなんて！！なんと嬉しいことでしょうか……！大変励みになります！このままもりもり書き進めてゆきます！頑張りますっ！ (2017年4月29日 4時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 新作楽しみにしていました！このジャンルではこばやし様の作品が1番好きです！更新楽しみにしています！ (2017年4月29日 3時) (レス) id: 77fd8cb64d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年4月29日 1時
