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第38話 ページ38

「はい出ました!右手青!」

えおえおさんとのツイスターゲームが始まった。

「どーん」

べたり、と、えおえおさんの右手が、わたしのすぐそばの青を取る。

「珍しい!えおえおが攻めてる!」
「いや、ハジメちゃんは攻めさえすれば勝てるから!!」
「押しに弱いハジメ」
「うるさいなぁ!」

外野のちゃちゃに負けるなわたし。
しゃがみこんで、えおえおさんの後に続くように右手を伸ばす。

「お?なんかちょっと控えめ?」
「動きが変わったぞ!!」

わたしは、攻めるのをやめた。

「次!左手緑!」
「そりゃ」

えおえおさんは素早く、わたしの真横の緑に手を付く。
わたしはそのえおえおさんの腕を潜るようにして、一番近い緑に触れた。

「なんだなんだ?!」
「まだ二人とも余裕だ!」
「はい次ー、右足赤ー」

えおえおさんはどんどんこちらに攻めてくる。
わたしは後ろに下がるようにして、右足を置いた。


しばらく膠着状態が続き、押され気味かと思われたわたしだが。

「‥‥、結構きつい」

攻めていたえおえおさんが、ぽそりと呟いた。

きた!!!!

「右手黄色!」
「えおえおきつい!」

なんとか右手を動かすえおえおさん。
わたしはそのスキを見計らって、たったひとつ、えおえおさんがそこしか届かないだろう場所に、素早く手を差し込んだ。

「あっ!」

四つん這いになるえおえおさんの体の下に潜り込む。どうだ、これでもう動けまい。

「ここでハジメ選手、攻めてきました!!」
「これは痛い!さぁえおえお選手どうする!?」
「‥‥っ、う、」

真横にあるえおえおさんの顔の方から、苦しそうな声が聞こえる。

「えおえおさん?まだ黄色取れてませんよ」
「、いま、頑張るから、‥‥おら!」

わたしの後ろの黄色を狙ったのだろう。
えおえおさんは勢いをつけて、飛び込んだ。
これで完全に、えおえおさんはわたしに被さるように逆ブリッジ状態だ。

「すげえ!えおえおすげぇ!!」
「でもこのあと動けなくね!?」
「つぎー右手緑ー」
「あー、終わったね」

そう。
これでえおえおさんは終わりだ。

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こばやし(プロフ) - うるみさん» コメントありがとうございます!書いてる本人もちょっと笑ってました!これからも頑張ります!ありがとうございます! (2017年5月15日 23時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
うるみ(プロフ) - どうしてくれるんですか!腹筋崩壊したじゃないですか!あなたは神ですかコノヤロー!面白すぎ! (2017年5月14日 16時) (レス) id: 3e99147b7d (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございます!1番だなんて!!なんと嬉しいことでしょうか……!大変励みになります!このままもりもり書き進めてゆきます!頑張りますっ! (2017年4月29日 4時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 新作楽しみにしていました!このジャンルではこばやし様の作品が1番好きです!更新楽しみにしています! (2017年4月29日 3時) (レス) id: 77fd8cb64d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こばやし | 作成日時:2017年4月29日 1時

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