第16話 ページ16
待ち合わせの10分前。
駅前に1人佇んで、ばくばくと高鳴る胸を抑える。
｢(‥‥緊張する)｣
本日、彼らとの２度目の対面を果たす。
空は雲一つない晴天。絶好の引きこもり日和だ。帰りたい。
わたしはやっぱりマスクをしていた。
彼らはどうだろうか。気になる。そりゃ気になるよ。
撮影の時とは色違いのニット帽をかぶり直す。
大丈夫、今日はちゃんと寝てきたからクマはない。眉毛も書いてきた。うん、大丈夫。
｢Aちゃん？｣
不意に、横から声が聞こえてきた。
顔を向ければ、まぶしい金髪のチャラ男が数メートル離れたところでこちらを見ている。
わたしだとわかると、ぱっと顔を輝かせて近付いてきた。
｢きっくんさん！お久しぶりです。てゆか名前、｣
｢ちっちゃいから全然見つかんなかった！｣
｢いや開口一番それですか｣
｢うそうそ！ご飯は食べてきた？｣
｢はい！大丈夫です！｣
｢よーしじゃあ早速行こう！｣
こっち！
笑顔のまま歩き出す背中を追いかける。
そか、きっくんさんがお迎えに来てくれたのか。
てゆか本名まじでやめろ。
｢今日はえおえおんちでやるよー｣
｢あ、そうなんですか｣
｢オレらん中じゃ1番広くてキレイだからね！FBんちなんか汚すぎて女の子入れられないよ｣
｢逆に気になるんですけど‥‥｣
｢無理無理！俺も無理｣
やばい、ちょっと行ってみたいと思ってしまった。
他愛もない話をしながら、道中コンビニに寄って飲み物とお菓子をこれでもかと買い込む。買いすぎじゃない？てゆかきっくんさんパシられてる？え？大丈夫？
｢あ、半分持ちます｣
｢へーきへーきー！オレ男の子だから！｣
｢男の��子��‥‥｣
｢なんせ厨二病ですから！！｣
｢確かに！！｣
相変わらずこの人とは話しやすい。もはやさっきまでの緊張もなくなった。うん、今日も割とうまくいきそうだ。
｢ちょっと階段のぼるよー｣
｢はーい｣
後ろについて階段をのぼる。わりと普通のアパートだ。もっと豪邸に住んでるのかと思ってた。
階段を登り着ると、きっくんさんはちょっと息があがっている。おっさんかよ。あ、おっさんだった。
｢ここ｣
ごめん、開けてもらえる？
そう言って両手の荷物をちょい、と持ち上げるきっくんさん。慌ててドアノブを掴んで捻った。
先にきっくんさんが入っていく。
｢来たぞーー｣
知らない人の家のにおいがした。
→
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こばやし(プロフ) - うるみさん» コメントありがとうございます！書いてる本人もちょっと笑ってました！これからも頑張ります！ありがとうございます！ (2017年5月15日 23時) (
レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
うるみ(プロフ) - どうしてくれるんですか！腹筋崩壊したじゃないですか！あなたは神ですかｺﾉﾔﾛｰ!面白すぎ！ (2017年5月14日 16時) (レス) id: 3e99147b7d (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございます！1番だなんて！！なんと嬉しいことでしょうか……！大変励みになります！このままもりもり書き進めてゆきます！頑張りますっ！ (2017年4月29日 4時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 新作楽しみにしていました！このジャンルではこばやし様の作品が1番好きです！更新楽しみにしています！ (2017年4月29日 3時) (レス) id: 77fd8cb64d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年4月29日 1時
