第14話 ページ14
『Aちゃん、後ろ！後ろいるよ！』
｢ん！あ！クソ！｣
『クソって！！』
『あー俺死んだ。南側の階段下いるよ』
危ない、FBさんの忠告がなければ死んでいた。
初めてパーティ組んでゲームやったけど、やっぱり1人より断然楽しい。し、戦略の幅が何万倍にも広がる。
｢やばい、楽しい！｣
気付けば、心のままに声を出して、無我夢中でゲームパッドを操作していた。
『ぶえっ！！この距離でヘッドショットとかチートだよーー！！』
｢FBさんの仇はわたしがとる！！｣
『頼んだぞAちゃん！！』
『のどかわいた』
｢そこにお茶あるんでどうぞ！｣
『いや、スカイプだからそこにあっても貰えないんですけど』
｢そうだった！！へぶっ！！死んだ！！！｣
『Aちゃんマジでお茶くれようとしたの！！？』
『ふふっ』
｢あはははは！｣
ゲーム画面見ながら普通に本気でお茶を指さしてて、しかも華麗に頭を撃ち抜かれて、えおえおさんの笑いに誘われるように、盛大に笑ってしまった。
『ボロ負けなんですけど！！』
『いやー久しぶりだからねぇ』
｢もう1戦！もう1戦だけやりましょ！｣
『あたぼーよ！！』
『リスキルリスキル』
笑いすぎて涙が滲んだ目元を擦りながら時計を確認すれば、こんな調子でもう3時間もやりっぱなしである。でもやめられない。
ペットボトルのお茶を流し込んで、ぐいっと口を拭ってから、またゲームパッドを握り直した。
｢人質ぶっ殺す！！｣
『だからだめだって！』
それから、また二時間が経った。
｢‥‥そろそろですかね｣
『‥‥そうだね』
『‥‥ねむい』
ヘッドフォンから聞こえてくるのは、それぞれの枯れかけた声。
顔は見えないけど、2人の疲れた顔が容易に浮かぶ。いや顔知らんけど。
｢めちゃくちゃ楽しかったです｣
『これなら普通に撮影でも楽しくなりそうだな！』
『むしろこれ録画してたほうが良かったんじゃないの』
｢確かに｣
『確かに』
えおえおさんの一言に、わたしとFBさんの声が合わさった。
もはや大変悔やまれるところである。
ゲーム画面を終了しながら、ふぅ、とため息をついた。
『Aちゃん疲れちゃった？大丈夫？』
｢大丈夫です！よく眠れそうです｣
『それは良かった！』
もう名前とかどうでもいいや。もう早く撮影したい。早くゲームやりたい。
『じゃあ、ゆっくり寝てね！』
｢はい！おやすみなさい！｣
『おやすー』
『おやすみー！』
スカイプを切る。
なんだかちょっと、寂しくなった。
→
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こばやし(プロフ) - うるみさん» コメントありがとうございます！書いてる本人もちょっと笑ってました！これからも頑張ります！ありがとうございます！ (2017年5月15日 23時) (
レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
うるみ(プロフ) - どうしてくれるんですか！腹筋崩壊したじゃないですか！あなたは神ですかｺﾉﾔﾛｰ!面白すぎ！ (2017年5月14日 16時) (レス) id: 3e99147b7d (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - のあさん» コメントありがとうございます！1番だなんて！！なんと嬉しいことでしょうか……！大変励みになります！このままもりもり書き進めてゆきます！頑張りますっ！ (2017年4月29日 4時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
のあ(プロフ) - 新作楽しみにしていました！このジャンルではこばやし様の作品が1番好きです！更新楽しみにしています！ (2017年4月29日 3時) (レス) id: 77fd8cb64d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年4月29日 1時
