第40話 ページ41
男に銃口を向けたまま、そっと階段を登りきる。
同じタイミングで、えおえおも同じように銃を向けて、横に並ぶように立った。
｢そんなに敵意むき出しで銃向けないでよ。僕は思い通りにならないのが一番嫌いなんだ｣
なんだか場違いな男の空気に、苛立つ。
整った顔立ちから発せられるハリのある声は、やけにわたしの神経を逆撫でした。
この男‥‥若すぎないか？
恐らく成人するかしないかのラインだろう。
さっさと撃ってしまいたいがそうもいかない。
男の足元には、あろまときっくんと思われる男2人が横たわっているからだ。
2人とも、後ろ手に手首を縛られ、きっくんは仰向けに、あろまはこちらに背を向けた状態で倒れている。
きっくんの口元にも、あろまの首筋にも、血が。
｢‥‥、｣
｢こいつらが心配？大丈夫、まだ生きてるよ｣
｢！｣
男が動いたかと思えば、そいつはあろまの腹のあたりまで移動して、思い切り足を振りかぶった。
ドスッ！
｢ぐふっ、｣
｢てめぇ！！｣
｢ほら、生きてる｣
FBが銃を構えてわたしより前に出ようとしたのを、右手で押さえつけた。
正直わたしも、ハラワタが煮えくり返りそうな衝動に耐えている。
でも、相手がどう出てくるかわからない以上は、迂闊に動けない‥‥！
あろまは、腹を蹴りあげられて意識が戻ったのか、数回咳き込むと、顔だけ、こちらに振り向く。
｢はぁ‥‥、お前ら、‥‥来ん、な‥‥｣
見えた横顔は、焦点も定まらないような朦朧とした瞳と、苦しそうな荒い息遣いで歪んでいる。
｢‥‥(‥‥だめだ、男が近すぎる)｣
助けたい。
助けたい！！！
頭がそれだけでいっぱいになるが、視界に写る状況は一向に厳しいままだ。
どうする、
どうすればいい‥‥？
｢ねぇ、女の子はどこ？｣
不意に、男がわたしたちに視線をうつした。
｢‥‥‥‥は？｣
｢情報によれば、君たちの中に1人、女の子がいるらしいよね｣
男は、あろまから離れてまたもとの位置に戻る。
｢女の子かなと思って捕まえてみたけど、華奢なこいつも違ったし、綺麗な顔のこいつも違った｣
あろまときっくんを指差しながら、男ははぁ、とため息をつく。
｢そこのガタイのいいサングラスじゃないことを願ってもう1度聞くけど、女の子はどれ？｣
こいつ、何が目的なんだ？
もしかして、わたしを狙って？
→
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こばやし(プロフ) - わふうさん» 外しました。ご指摘ありがとうございます。 (2017年5月6日 20時) (
レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
わふう - オリフラはずしてください (2017年5月6日 18時) (レス) id: bef332b0cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年4月17日 19時
