【MS.SP】不戦勝宣言【GTAパロ】 (ページ25)

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第24話(A side) ページ25

＂black lily＂の情報集めも、そろそろ行き詰まってきた。
なんせ、こいつらに目をつけられた組織はことごとく潰されている。流れる情報も途絶えているのかもしれない。喰えない連中だ。

｢あろま、わたしにできることはある？｣

後ろから聞こえた声に振り返ると、服を着直したAがすでにこちらを見ていた。

｢‥‥さっさとその肩治すこったな。話はそれからだ｣
｢こ、これは仕方ないじゃんっ。いま、なにか、この腕でも出来ることはあるでしょ？｣
｢それはきっくんとFBに頼んでる。焦るな｣
｢‥‥っ、｣

確かに、敵対した組織がいつ殴り込みに来てもおかしくないようなこの状況で、うかうかしていられない気持ちもわかる。
もどかしい思いをしていることも痛いほど。

だが、それはAだけじゃない。えおえおも一緒だ。

｢まずは一刻も早く、戦力として戻ってきてくれ。余計なトレーニングや過度な動きは一切禁止。なんなら自室とこの部屋以外の出歩きを禁止したいくらいだ｣
｢‥‥‥‥｣

わかってくれ、A。

｢‥‥コーヒー、｣
｢あ？｣

｢あ、あろまに、コーヒーくらい、いれさせてよ｣

苦虫を噛み潰したかのような、そんな顔で、そんなことを言われて面食らう。
なんとなく言いたいことが伝わってくるような気がして、ふっ、と口元が緩んでしまった。

｢‥‥仕方ねぇな、不味いもんいれたらそれこそ部屋に縛り付けるからな｣
｢い、インスタントなんだから不味いわけないでしょ！｣

単純に、かわいいな、と思った。
素直なのか素直じゃないのか、強がりなのか弱虫なのか。

どちらにせよ、大事な存在であることには変わりない。

｢(‥‥絶対、負けらんねぇ)｣

ずず、と、Aがいれたコーヒーを啜りながら、人知れず決意する。

｢(守るもん全部守って、絶対に、勝つ)｣

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