【MS.SP】不戦勝宣言【GTAパロ】 (ページ13)

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第12話ページ13

｢よし、集まったな｣

あろまの声が、静かな部屋にこだました。
作戦会議と称して集められた部屋は、移動が困難なえおえおを考慮して彼の自室で行われている。

｢いいかお前ら、1人手負いを抱えたからって納期が伸びるわけじゃない。約束の日は明日だ｣

淡々とした口調のあろまの言葉に、わたしもきっくんも、FBも黙って頷く。
えおえおも起きてはいるが、ぼーっと天井を眺めていて、聞いているかどうかは定かではない。

｢そこで、当初のプランを大幅に変更して、より安全で確実にこいつをぶっ殺そうと思う｣

ぱんぱん。

あろまの指先が、ホワイトボードの写真を軽快に叩く。

｢どうやって？｣

きっくんの声に、わたしもFBも同調するようにあろまを見た。

｢話によれば、たまたま同じタイミングで同じような依頼を受けた組織がいるようだが、知ったこっちゃねぇ｣
｢やったもん勝ち、てことか｣
｢んだ。これを見てくれ｣

あろまが、ばさりと大きな紙を机に広げた。
地図だ。

｢この赤い丸が、今夜の決戦の地だ｣
｢なるほど｣
｢昨日の騒動が祟って、警戒したターゲットは今夜必ず自宅に籠る。ご丁寧に警備員も配置してな｣
｢めんどくさ‥‥｣
｢警備員もやるのか？｣
｢それは状況次第だ｣
｢‥‥と言うと？｣

地図から顔をあげると、あろまは既にわたしを見ている。

待って、嫌な予感。

｢Aが、忍び込む｣

ニヤリと、そんな顔で笑った。

｢ちょ‥‥ちょっと待って！1人で！？｣
｢もちろん、それ相応の配置は考えてる。まずきっくんは、警備員の目を引くためにこの豪邸の中庭にグレネードで穴掘りしててくれ｣
｢あいさー｣
｢え、ちょ、｣
｢俺とFBは、ターゲットがいると思われる部屋の窓をいつでも狙撃出来るよう、この位置からスナイパーライフル構えて待機。念のためスコープもつけておこう、狙いやすい｣
｢任せとけ！｣
｢待って待って！え、｣
｢きっくんはいつでもAの援護出来るように、陽動が終わったら屋根裏に待機だ｣
｢なんか俺だけ地味ー｣

いや地味とかそういうのいらなくない！？

ちょっとまってツッコミが追いつかない。
あまりにも無茶苦茶な作戦過ぎて口をぱくぱくさせていると、あろまが強い眼差しでわたしを見る。

｢お前のステルスは並大抵のもんじゃない。あのえおえおが任務中に見失うくらいだぞ？自信持て。｣

有無を言わさぬ、口調だ。

また、従うしかないのか。

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