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第41話 ページ41

ぴぴぴぴ。

アラームの音が聞こえた。
意識が浮上して、音のするほうを見ると、いつも起きる時間を五分ほど過ぎている。

「んん‥‥‥‥」

うるさいアラームを止めて、重いまぶたを無理やり開けたままケータイを開く。

今日は休みの日。アラームを切っておくのを忘れていた。

「‥‥(‥‥もうちょい寝よう)」

メッセージボックスを確認して内容も読まずに既読をつけ、また目を閉じた。




「‥‥‥‥‥‥‥え!!!!!!!」


飛び起きてもう一度ケータイを開く。



『今からデートしませんか?』



受信時間は昼の12時。
時計を見ると、今は14時半をまわるところだ。

に、2時間以上も前にえおえおさんからメッセージが来ていた‥‥だと‥‥。

「(しまった‥‥いくらわたしの生活習慣がほかの人と違うとはいえ、着信に気付かないなんて)」

休みと思って油断していた。
でででで、デートのお誘いが‥‥ああーーーー!!!

震える手のまま、急いで返信を打ち込む。


『ごめんなさい!いま起きました‥‥』


猫が土下座をしているスタンプと一緒に送信。
ううう、なんてもったいないことをしてしまったんだ‥‥。

さすがに2時間半前のメッセージだ。
今から待ち合わせなんてそんなわたし都合でえおえおさんを動かすようなことは出来ないし、もはや返信が遅すぎて呆れているかもしれない。

し、死にたい‥‥。

寝巻きのまま項垂れていると、ぴろん、と受信音がして、即座にケータイを見る。


『おそようございます笑』


最後の「笑」に、怒っているわけではなさそうだ、と安堵のため息が零れた。
すぐさま、もうひとつメッセージが送られてくる。


『仕事前にお昼ご飯でも、と思ってたんですが、今からだとお仕事間に合わなくなっちゃいますよね』


うう、優しい‥‥全然今日休みです‥‥すき。

今からでも行けるかも、と期待に膨らんだ胸で、文字を打ち込む。

『今日お休みなんです!もし今からで良ければ、どこにでも行けます!』

う、ちょっとガツガツしすぎたかな?
そう思っていると、OK!という兵隊さんのスタンプ。

『大丈夫ですよ!そしたら駅前のカフェにいるので、準備終わったらまた連絡ください』


うあーーー!

高鳴る胸が抑えきれず、ぼふっ、とまくらに顔を突っ込んだ。

やばい!やばいデートだ!
えおえおさんとデートだっ!!
今日休みで良かった!!!


バタバタとはしゃぐ足を、そうそうにベットから下ろして洗面台へと向かった。



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作者名:こばやし | 作成日時:2017年4月2日 20時

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