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第21話 ページ21

「店長さんやっぱり知らなかったのー?」

きっくんさんが綺麗な笑顔で言った。

あ、お、思い出した!!

この金髪の人、

「こ、この間、駅前の商店街で撮影されてた方ですか‥‥!?」
「ぴんぽーん」

指で丸を作って、にっこりと笑う。
なんという事だ‥‥知らないとは言え、あんな人だかりを作れるような有名な人がうちに来店するなんて。
しかもわたし、さっきとても失礼なこと言ってしまった気が。

「ご、ごめんなさい!なんのおかまいもせずこんな、」
「いやいやいや大丈夫だよー」
「えおえおてっきり話してるもんだと思ってた」
「俺も思った」

待って待って、こういう時は何すればいいんだ?サイン?とりあえずサイン?
ていうかえおえおさん、こんなすごい人とあんなに仲良く喋れるほどのお友達だったなんて‥‥。

「はい、お金」
「あ、ありがとうございます!あの、すごい人とお友達だったんですね、えおえおさん」

渡されたお金を受け取りながらそう言えば、一緒静まり返ったあと、

「‥‥ぶっ!」
「あはははは!お友達だって!!」
「そりゃそうなるかー!!」
「え、えっ?」

3人とも今日一番の笑い声をあげていた。
待って、わたしなんかやらかした?

おどおどと戸惑っていると。

「はぁー面白い。えおえおも、なんなら俺らもあそこにいたよ」

あろまさんが、笑いすぎて目元に滲んだ涙を指で拭いながらそう言った。



「‥‥え」



改めて全員の顔を交互に見ていく。


「FB777でーす!よろしく!」
「あろまほっとでーす」
「KIKKUN-MK-IIだよーん」


そして、この間商店街で見た光景を思い出す。



サングラス。
鬼のお面。
金髪。


重なる記憶。
そして。


「‥‥すぅ‥‥‥‥すぅ」


寝ているえおえおさん。






「‥‥‥‥‥‥えーーーーーーー!!!!!」





人生で一番の、驚きだったかもしれない。

「ちなみにこないだの撮影の時、店長さんがいたの俺知ってたよ」

あろまさんが笑いながら言った。
うそ、うそ!

「そうそう、えおえおとあろまが店長さんが来てたって言ったから、店長さん俺らの事知ってんだと思ってたんだよねー」
「え、えおえおさんも気付いてたんですか!?」
「うんうん!めっちゃ動揺してたけどな!!」
「すげーキョドっててめっちゃうけた」
「そんな‥‥」

うそでしょ!うそでしょー!!

恥ずかしくなって伝票で顔を隠す。
やだ、わたし何にも知らずに、変な人たちがいるーぐらいにしか思ってなかったのに!


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作者名:こばやし | 作成日時:2017年4月2日 20時

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