第22話 F ページ22
秘密基地での騒がしい夕食を終え、シャワーを借り、そろそろ日付けが変わろうとしている。
｢‥‥‥‥｣
そのまま秘密基地で就寝する彼らとは別れ、俺はまた、光の湖にいた。
未だ故障中のWAKASAGIのてっぺんに腰掛け、じっと、空を見上げる。
青みの強い紫がかった夜空に、満天の星屑が煌めいて。
時折、涙のように空をすべる流星が見える。
春の暖かな夜風が生乾きの髪を揺らして、Ｔシャツの袖がふわりと浮いては、また素肌に落ちた。
｢‥‥‥‥‥‥(‥‥綺麗だな)｣
このセラに不時着して、二日目の夜。
母星である地球から離れ、宇宙を旅するようになってから、こんなにも穏やかな気持ちになったのは、初めてだった。
｢(‥‥ここは、なんなんだろう)｣
どうしてこんなに、居心地がいいのだろうか。
昼間あろまと２人で話した時も、思ったけど。
偶然出会った、賑やかで騒がしいあいつらも。
俺をまるっと覆うように広がった、この空や森、湖も。
友好的、とはちょっと違う。
まるで、そう。
俺は1人じゃないと、星全体が丸ごと寄り添ってくれているような。
不思議な、気持ち。
｢(‥‥‥‥ずっと、1人でいたからかな)｣
傍らに置いたガラス玉を手に取り、覗き込んでみれば、やけに穏やかな自分の顔がうっすらと映り込む。
この自分の感情は、とてもじゃないけど、報告書には書き表せる気がしない。いや、到底書き表せるものではない。
いや、待てよ。
｢(‥‥地球を、よく思ってない人たちもいるって‥‥言ってたな)｣
そこまで考えて、報告書の存在自体を思い出す。
同じような人類が住まうこのセラという星。
きっくん達を見ていればわかる。地球人である俺とそう変わらない、ちゃんとした思考や意思を持つ、セラの人間。
彼らには地球への知識が多少なりとも存在して、興味を持つ者もいて。
ほかの星に比べたらそこそこ生活レベルは高いけれど、それでも地球からすればまだまだ発展途上なこの星。もし星同士が交友関係を持ち、互いに干渉し合えば、セラの技術の進歩や星自体の発展を助長する事も可能だと思う。
にも関わらず、地球側にはセラという星の存在すら、明かされていない。
｢(‥‥ともすれば)｣
ここまで地球側にセラの情報がないということは、むしろ接触自体を��避けてきた��と考える方が自然なのではないだろうか。
セラは、地球との距離を、自ら。
｢(‥‥遠ざけている)｣
→
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こばやし(プロフ) - あるふぁさん» コメントありがとうございます！！良かった……思わずにこっとしてしまうような彼らの青春が書きたかったのです……この調子で頑張ります……っ！！ (2017年9月7日 17時) (
レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - うずらさん» コメントありがとうございます！！ヒエ‥‥神とは‥‥っ！！ちょっと夢要素薄めですが、お楽しみ頂ければ幸いです……っ！(´；ω；｀) (2017年9月7日 17時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - カンナさん» レス遅くなり申し訳ございません……！！ありがとうございます！そう言って頂けると大変励みになります……(´；ω；｀)頑張りますっ！！！ (2017年9月7日 17時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
あるふぁ(プロフ) - ああぁ…にまにまするんじゃぁ…自然と笑がこぼれるんじゃぁぁ…O(:3 )〜 (2017年9月7日 17時) (レス) id: 9156d20097 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - ｱ゛ｱ゛ｱ゛ｱ゛神作品じゃあ...更新待ってます|・ω・｀) (2017年9月4日 22時) (レス) id: 6e3abf552a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年8月16日 1時
