第28話 E ページ28
｢だからなんで俺なんだよ！！｣
わっっ、と、綺麗な顔が腕の中に吸い込まれた。
｢なんでいちいちそんなクソリア充の報告聞かなきゃいけないのぉーーもうやだぁーーーうわぁーーー！！！｣
｢えへへ、ごめん｣
｢えへへじゃねーよ馬鹿ぁ！！！！｣
きっくんはテーブルに突っ伏したまま、えーんえーんと泣き真似を繰り返している。
しかし本気で怒っているどころか、ちょっと嬉しそうな顔をしたのは見逃さなかった。
ここは居酒屋。
先日相談した内容の報告をと思いやはりこの男を呼び出して、おおまかに話した次第である。
｢なにその幸せそうな顔！！！！クソ腹立つ！！！！｣
｢お蔭さまで｣
｢帰れ！！！！｣
ぐびぐびとビールを煽るその表情は、言葉とは裏腹に満更でもない様子。
まぁ、心配してくれてたからな。だからこそ話そうと思えたのだ。
あ、余計な事までは言ってないよ。そこはちゃんとAの尊厳を考えている。
｢きっくんのおかげ。ありがとう｣
｢‥‥でもまだ最後までやれたわけじゃないんでしょ？｣
｢んー、まぁ。でもそんな急ぐことじゃないかなって｣
｢ふーん｣
そう。
結局この間、Aが初めてイけた後は、彼女の体の負担を考慮して、そのまま終わりにしたのだ。
彼女は彼女で俺のほうの(主に俺のムスコの)心配をしていたが、正直あの時の俺には微々たる問題であった。
そんなに一気に進めたところで、急いだっていい事ないし、Aに合わせて、ゆっくりでいいかなって思ったから。
｢お前もデキた男だねぇ｣
｢‥‥んな事ねーって｣
｢俺ならそのままの勢いでやってると思うもん｣
｢いや、出来ない事はなかったと思うけど。なんか、なんとなく、満足しちゃって｣
｢嘘だろオイ草食系かよ｣
うん。これも嘘じゃない。
まぁその前の日にも致してるからっていうのもあるだろうけど、何故か昨日のAを見ていたら、それだけで満足してしまったのだ。自分でもびっくりだ。
｢んじゃま、あとは最後までイくのみですな｣
｢‥‥おう｣
｢お前の頑張りにかかってるぞ｣
｢‥‥‥‥がんばる｣
｢‥‥大丈夫かよ｣
プレッシャーや不安は、確かにある。
けど、それよりも、Aが大好きだから。
俺は頑張る。
｢ま、解決の糸口が掴めたようで何よりですよ｣
｢ありがとうきっくん。好きなだけ飲め飲め｣
｢え！マジ！！？やばいえおえお男前〜！！！｣
｢奢るとは言ってない｣
｢なんだお前！！！！？？｣
→
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灯火(プロフ) - もう既に完結していらっしゃる様ですがコメント失礼致します！すごく感情移入しやすい小説でした！感情の表現の仕方などとても勉強になりました！これからもがんばってください！ (2018年3月27日 4時) (
レス) id: bdfed69944 (このIDを非表示/違反報告)
るりも(プロフ) - こばやしさん» 細かい気持ちの動きなどがとても参考になりました！陰ながら応援しております！ (2017年8月27日 21時) (レス) id: 01f00a7c23 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - るりもさん» 毎度ありがとうございます！！えっと！！なんの参考にもならないど下ネタ小説でしたが！！なにかお役に立てれば幸いです！！(混乱)いつも暖かいご声援に救われてます、ありがとうございます……！！次も頑張りますっ！！ (2017年8月27日 18時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - 金平糖@ラビが大好きリーフパイさん» 毎度お世話になります！！いつも心いっぱいご感想を頂けて、作者冥利に尽きる所存でございます……涙 多分すぐ新作も出てくると思うので、こらからも何卒よろしくお願い致しますっ！！(｀；ω；´) (2017年8月27日 18時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
るりも(プロフ) - 完結おめでとうございます！細かな情景描写や言葉の使い方がとても勉強になりました！また、読んだり作ったりすることが少ないジャンルの作品だったのでとても面白く、終わってしまうという寂しさが少しありましたが、次作品を楽しみにしています！ (2017年8月27日 15時) (レス) id: 01f00a7c23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年7月31日 7時
