第4話 ページ4
｢おはようございまーす｣
生放送の収録日。
時間よりも少し早めに到着すれば、スタッフさんたちがパタパタと慌ただしそうにスタジオのセッティングをしていた。
｢あ、ゆんたちゃんおはよー｣
｢おはようござまーす。なんか手伝えることありますー？｣
｢んーん大丈夫！楽屋でゆっくりしてて！｣
｢はぁーい｣
顔見知りのカメラマンに声をかければ、爽やかな笑顔で返された。
そう言われちゃ仕方がない。わたしは大人しくバックを持ったまま、楽屋へと向かう。
｢(MSSPは生放送前にようつべ用の単発撮るって言ってたな。挨拶は帰る時でいっか)｣
何日か前にあろまから聞いたので、収録前の挨拶は辞めておこう。FBたちは、わたしとあろまが別れたことは‥‥‥‥聞いてるに決まってるか。
FBやきっくん、えおえおとは、あろまの繋がりでまぁ当然のように仲良くなった。プライベートでご飯にも行ったりしたし、ゲームだってそこそこ一緒にやってる。
しかし、あろまと終わってしまったいま。どんな顔して接したらいいのやら。逆に気を使わせてしまうだろうし、もう今後関わらないほうが良いのだろうか。あーあ、せっかく友達出来たと思ったんだけどな。
なんだか気が重い。というか単純に気まずいな。
ばかあろま。やっぱりタイミングおかしいって。
悪態をつきつつ、楽屋に入る。
バックを置いて、道中のコンビニで買った缶コーヒーをあけた。
コンコン。
不意に、ノックが響いた。
｢はーい｣
短く返事をすれば、キィ、と扉が軋む。
｢おはようございます、今日はよろしくお願いします！｣
入ってきたのは、最近人気の実況者、カスミちゃんだった。
｢おはようございまーす。こちらこそー｣
｢あ、コーヒー中に大変失礼しました‥‥｣
｢いやいや、そんな事気にしなくていいよ‥‥｣
しゅん、と肩をすくめる姿は、the女の子って感じでとっても愛らしい。そして普通にいい子だ。
この子との共演も増えたなー。
年下のカスミちゃんは、その可愛らしい外見とは裏腹にゲームのやりこみ方が尋常ではなく、主にゲームの解説動画で人気を博している実況者だ。もちろん顔出し。
｢今日も楽しくなるといいねー｣
｢はい！楽しみにしてます！｣
失礼しました！
笑顔で去っていく彼女を見送って、またコーヒーをすする。
あのくらいの素直さが、わたしにもあればなぁ。
ま、無い物ねだりしても仕方ないんだけどね。
→
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xjythtphs1213(プロフ) - こばやしさん» 返信ありがとうございます…！ いやいや、読んでて楽しめます！！eさんのフェチの話も読んだんですが、素直にキュンとしました… もうこばやしさんのセンスが大好きですﾟ(ﾟ`ω´ ﾟ)ﾟ (2017年8月22日 21時) (
レス) id: ab8a07239c (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - xjythtphs1213さん» コメントありがとうございます！もったいないほどのお言葉でございます……！！作品数もそこそこありますので、無理はなさらぬよう、お楽しみ頂ければ幸いです！ありがとうございます、頑張りますっ！！ (2017年8月20日 23時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
xjythtphs1213(プロフ) - 読むのが止まらなくて、秒で読んでしまいました…！至る所で、言葉や表現にドキッとしました！とても面白かったです！こばやしさんの小説、全て見ます(*ﾟvﾟ*) (2017年8月20日 13時) (レス) id: ab8a07239c (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - しにゃもん(｀・ω・´)さん» コメントありがとうございます！なんとか無事完結いたしました……笑 意外とこういった暗めのお話もお楽しみ頂けるようで安心いたしました！！次の小説も頑張ります‥‥！！(´;ω;`) (2017年8月10日 2時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
しにゃもん(｀・ω・´)(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！完結お疲れ様でした！最後の方は本当に涙が止まらなかったです…！ (2017年8月4日 10時) (レス) id: 23db386b10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年7月25日 22時
