第19話(E side) ページ27
｢えよえよは、かのじょいないの？｣
｢ん゛ぶっ！げふっ！｣
｢わ！きたない！｣
｢げほっえほっ、｣
思いもよらぬ問いかけに、飲んでいたメロンソーダを吹き出してしまった。
なに！？なにがいないって！？
｢‥‥なんでそんな事聞くの｣
｢‥‥だめ？｣
テーブルの向かい側に座って、もくもくと読書感想文を書いていると思ったらコレだ。
前にスーパーで友達と会った時も彼氏がどーのこーの言ってたな。そういう年頃なのか？
｢いないよ｣
｢えおえよ、かっこいいのに、もったいないね｣
｢‥‥｣
こいつ‥‥。
どこでそんな言葉覚えてきたんだ。
｢クラスのね、ユウくんとミキちゃんがおつきあいしてて、みんなすごいなぁっていってたんだ｣
｢‥‥‥‥Aにはまだ早いよ｣
｢えー｣
まずユウ君とミキちゃんって誰だ。Aに余計な影響を与えおって。１回連れてこい、俺が説教してやる。
ため息を付きながら、そういうのはオトナになってから、と牽制すれば、不満げな顔で見上げてきた。
｢もうオトナだもん｣
｢玉ねぎ食べれないのに？｣
｢‥‥‥‥｣
ぷくーと、Aの頬が膨らんだ。
｢えよえよきらい｣
‥‥‥‥‥‥。
え。
｢‥‥｣
頬を膨らませたまま、読書感想文に視線を落とすAを唖然と見つめる。
嫌い‥‥？
｢‥‥‥‥｣
｢‥‥‥‥｣
カリカリと、鉛筆が紙を引っかく音だけが部屋に響く。
｢‥‥‥‥｣
｢‥‥‥‥｣
｢‥‥ほんとはすき｣
ぽそりと、蚊の鳴くような声が聞こえてきた。
｢‥‥‥‥え？｣
｢‥‥きらいっていって、ごめんなさい｣
はっとして、口を閉じた。
どうやら無意識にぽかんと口を開けていたらしい。
Aはちょっと泣きそうな顔で、ちらりと俺を盗み見た。
｢‥‥きらいになった？｣
｢‥‥‥‥バカ｣
思わず、不安そうに見上げるAの頭を撫でた。
なんだよそれ。
｢何があっても、Aの事嫌いになったりしないよ｣
｢‥‥ほんと？｣
｢ほんと｣
｢‥‥たまねぎきらいでも？｣
｢うん｣
｢‥‥よかった！｣
ぱぁっと明るくなる笑顔。
｢玉ねぎ食べれたら、もっとAの事好きになるかもなぁ｣
｢ほんと！？じゃあ、たまねぎたべれたら、えおえよのかのじょになれる？｣
姪っ子の狂おしいほどに純粋な問いかけに、笑顔で誤魔化した。
A、俺達は3親等内だからそれは無理だよ。
でもかわいいからいっか。
｢オトナになったらな｣
｢はやくおとなになりたいな！｣
→
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アキ - はじめまして！こちらのお話読ませていただいたのですがあまりにもツボすぎてコメント失礼します…！すごい和みましたしメンバーの個性が現れてて好きです！！是非また機会がありましたら冬休み編とかも見てみたいなって祈ってます…！（小声） (2017年9月27日 9時) (
レス) id: 296879e69b (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - ななみんさん» はぁああありがとうございます……！！可愛いだけじゃない、きちんと成長していく彼らを感じて頂けて、わたしは幸せです……！！！ななみんさんいつもありがとうございます！！！これからも頑張ります！！！(´；ω；｀) (2017年8月23日 1時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - 壱吾さん» コメントありがとうございます！！無駄に幼女になり切って書いた甲斐がありました……暖かなご声援本当にありがとうございます……！！これからも頑張りますっ！！！なにとぞよろしくお願い致します！！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - reiponnさん» うあああコメントありがとうございます！！！一時更新頻度ががくっと落ちてしまいましたが、皆様のお陰さまでここまで来れました……そして完結を惜しむお声が不謹慎ですがとても嬉しいです……泣きそうです…笑いつもありがとうございます、これからも頑張りますっ！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - √�察淵襦璽肇淵福砲気�» 初コメありがとうございます！！ああ‥‥お楽しみ頂けたようでこばやしは感無量でございます……！！これからも死なない程度に頑張ります！！今後とも何卒よろしくお願い致しますっ！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年7月17日 4時
