第2話(E side) ページ2
『じゃ、よろしくな兄貴』
キャリーケースを引いて、玄関の前で爽やかに笑ってみせるマイブラザー夫妻を見つめる。
『‥‥いや、わけわかんない』
『さっき説明したろ？実家に預けようと思ったけど、どうせなら兄貴の家のほうがAも楽しいだろうし』
『なんでそう思った？』
リビングをちらりと見遣れば、不安そうな目で俺たちを見上げながらぽつんと佇む姪っ子、A。
ほら、なんかちょっと意味わかんなさそうな顔してるし。
『飛行機の時間もあるからもう行くよ』
『待てお前。猫じゃないんだからそんな簡単に、』
『じゃあなA！パパとママが帰ってくるまでお兄ちゃんと仲良くするんだぞ！』
『Aをよろしくお願いします』
『いやちょっと！！おい！！』
ガチャン。
『‥‥‥‥』
無情にも、固く閉じられた玄関を見つめて呆気に取られる。
恐る恐る振り返ってみれば。
『‥‥‥‥』
『‥‥‥‥』
大きな旅行バックの横で、やはり不安そうに玄関を見つめる姪っ子。
そんな馬鹿な。
｢という事だ｣
｢わかんねーよ！！｣
くわっ、と、FBが目を見開いて素晴らしいツッコミをくれた。
わかんねーって言われても。
｢‥‥俺もよくわかんねーし｣
｢まて、状況を整理しよう｣
部屋の隅で、Aの目線に合わせてしゃがみこみ、お菓子やら何やらで気をひこうとしているきっくんはさておき。
パイプ椅子に腰掛けたあろまが、腕を組んで声を上げる。
｢お前の弟は仕事の都合で、嫁と一緒に8月いっぱいアメリカへ飛ばねばならんと｣
｢んで？小学校３年生という多感な時期に余計な刺激は与えたくないと、Aちゃんを北海道の実家に預けようとして？｣
｢どうせなら、普段あんまり会えない東京のお前の家で、夏休みの間は叔父さんと仲良く遊びなさいと｣
｢‥‥無理矢理、俺んちに預けられた｣
そう。そういうこと。
｢Aちゃんチョコ好きなのー？｣
｢‥‥‥‥すき｣
｢俺と一緒だねー！｣
黙り込む俺らの横で、きっくんの楽しそうな声が響いた。
AはAで、ちょっと肩がすくんでいる。怖いのだろうか。
｢‥‥もしかしてお前の姪っ子、すげー人見知り？｣
｢‥‥多分。俺もあんま心開かれてない｣
｢見りゃわかる｣
これが人懐っこくてやんちゃな子だったらまだ良かった。しかし。
｢俺、きっくん！よろしくな！｣
｢‥‥‥‥‥‥うん｣
サッと、きっくんから目をそらすA。
‥‥打ち解けられる気がしない。
→
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アキ - はじめまして！こちらのお話読ませていただいたのですがあまりにもツボすぎてコメント失礼します…！すごい和みましたしメンバーの個性が現れてて好きです！！是非また機会がありましたら冬休み編とかも見てみたいなって祈ってます…！（小声） (2017年9月27日 9時) (
レス) id: 296879e69b (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - ななみんさん» はぁああありがとうございます……！！可愛いだけじゃない、きちんと成長していく彼らを感じて頂けて、わたしは幸せです……！！！ななみんさんいつもありがとうございます！！！これからも頑張ります！！！(´；ω；｀) (2017年8月23日 1時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - 壱吾さん» コメントありがとうございます！！無駄に幼女になり切って書いた甲斐がありました……暖かなご声援本当にありがとうございます……！！これからも頑張りますっ！！！なにとぞよろしくお願い致します！！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - reiponnさん» うあああコメントありがとうございます！！！一時更新頻度ががくっと落ちてしまいましたが、皆様のお陰さまでここまで来れました……そして完結を惜しむお声が不謹慎ですがとても嬉しいです……泣きそうです…笑いつもありがとうございます、これからも頑張りますっ！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - √�察淵襦璽肇淵福砲気�» 初コメありがとうございます！！ああ‥‥お楽しみ頂けたようでこばやしは感無量でございます……！！これからも死なない程度に頑張ります！！今後とも何卒よろしくお願い致しますっ！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年7月17日 4時
