第1話(F side) ページ1
暑い。
｢暑い｣
カンカンの日照り。
そこかしこからジワジワとセミの声が響いて。
汗がTシャツに染みていないか心配になる。
猛暑である。
｢‥‥これ死人出るんちゃう？｣
｢もはや死んだ方がマシレベル｣
隣のあろまが、鬱陶しそうに額の汗を拭った。
今日は実況のスタジオ収録日である。
俺とあろまは先に合流し、のそのそとスタジオまでの道を歩いている次第。
きっくんは多分もう到着していて、あと一人は。
｢‥‥あれ、えおえおから電話だ｣
｢‥‥‥‥寝坊かよあいつ｣
ちょうど、闇の精霊からの着信だ。
俺は手に持っていたケータイをそのまま操作し、通話ボタンを押す。
｢なに、寝坊？｣
挨拶もせず、ただそれだけの言葉を投げかければ。
『‥‥いや、違う』
通話の相手も、挨拶もなしにそれだけを返してきた。
｢じゃあなに、道に迷ったの？もー勘弁してくれよ隊長ー！｣
｢俺らもう着くぞー｣
目の前まで見えてきたビルを尻目に、あろまと2人で急かすように言葉を促せば、えおえおは少し唸るように声を上げて、
『‥‥‥‥今日のスタジオ、託児所ってあったっけ』
意味不明な事を言い出した。
｢‥‥なんだあいつ｣
スタジオに到着するや否や、俺達はロビーでうろうろと挙動不審な動きをする男を発見した。
それは紛れもなく、先ほどの通話の相手で。
｢‥‥あ、お前ら｣
｢‥‥何してんの、えおえお｣
えおえおがこちらに気付くと、奴はちょっと早足気味にこちらへと寄ってきた。
小さな女の子を連れて。
｢‥‥‥‥返してきなさい｣
｢‥‥いや誘拐じゃねーよ！｣
あろまがぴしりと扉の外を指さして言えば、やはりえおえおは慌てたように否定している。
闇の精霊と女の子という異色の組み合わせに呆気に取られ、俺はその少女を静かに見下ろした。
見たところ、小学校低学年といった感じだ。
人見知りなのか、視線はずっと下を向いていて一向にかち合う気配がない。
一応えおえおと手を繋いではいるものの、2人の距離はなんとも微妙なもの。正しく、宇宙人に誘拐されて意識を操られた謎の少女、というところであろうか。うん、めっちゃしっくりくる。
｢どこの子？｣
｢‥‥姪っ子｣
｢マジかよ！！え、てことは？えおえおの弟の？｣
｢そゆこと｣
｢へー！！｣
なんと！あのえおえおのゴリマッチョバージョンのようなえおブラザーの子とな！
｢‥‥話すと、長いんだけど｣
えおえおは、静かに口を開いた。
→
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アキ - はじめまして！こちらのお話読ませていただいたのですがあまりにもツボすぎてコメント失礼します…！すごい和みましたしメンバーの個性が現れてて好きです！！是非また機会がありましたら冬休み編とかも見てみたいなって祈ってます…！（小声） (2017年9月27日 9時) (
レス) id: 296879e69b (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - ななみんさん» はぁああありがとうございます……！！可愛いだけじゃない、きちんと成長していく彼らを感じて頂けて、わたしは幸せです……！！！ななみんさんいつもありがとうございます！！！これからも頑張ります！！！(´；ω；｀) (2017年8月23日 1時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - 壱吾さん» コメントありがとうございます！！無駄に幼女になり切って書いた甲斐がありました……暖かなご声援本当にありがとうございます……！！これからも頑張りますっ！！！なにとぞよろしくお願い致します！！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - reiponnさん» うあああコメントありがとうございます！！！一時更新頻度ががくっと落ちてしまいましたが、皆様のお陰さまでここまで来れました……そして完結を惜しむお声が不謹慎ですがとても嬉しいです……泣きそうです…笑いつもありがとうございます、これからも頑張りますっ！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - √�察淵襦璽肇淵福砲気�» 初コメありがとうございます！！ああ‥‥お楽しみ頂けたようでこばやしは感無量でございます……！！これからも死なない程度に頑張ります！！今後とも何卒よろしくお願い致しますっ！！ (2017年8月23日 1時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年7月17日 4時
