第8話 ページ8
あれだけ走ったのにも関わらず、息があがるわけでもなければ、疲れているわけでもないのに。
ばくばくばくと、心臓が早鐘のごとく鼓動を早めている。
｢‥‥‥‥‥‥｣
｢‥‥‥‥‥‥｣
思わず2人で目を合わせたまま、黙り込んだ。
｢‥‥‥‥た、助かった‥‥？｣
｢‥‥‥‥おう‥‥‥‥｣
わたし達を追いかけ回していたゾンビ達の唸り声や足音どころか、扉の外からは物音一つ聞こえない。
どういう、こと‥‥。
｢‥‥‥‥セーフルームの役割は、ゲームと一緒だ‥‥｣
えおえおさんがぽそりと呟く。
｢ここにたどり着きさえすれば、俺たちの勝ちだ｣
｢‥‥クリア‥‥てことですか？｣
｢‥‥そんな感じ｣
彼いわく、ここはゲームの世界らしい。
えおえおさんがやたらと詳しいのは、彼がこのゲームの経験者であるということだろう。
ようやく思考が落ち着いてきて、肩の力が抜ける。
｢ずっとここにいれば安全ということですか？｣
｢‥‥極論はそうだけど、それだと、俺たちはずっとこのままだ｣
｢‥‥そっか｣
｢多分、なにか目的があるんだ。現実世界に帰れるための、ゴールみたいなもんが｣
わしわしと頭をかく彼は、ぐるりと部屋を見渡している。
わたしもならって、視線を巡らせた。
先ほどの廃墟のような場所と違って、幾分か温もりが感じられるのは、電気が付いているからだろう。
テーブルの上には無造作にライフルや武器が置かれていて、椅子や冷蔵庫なんかもある。
‥‥冷蔵庫？
｢‥‥そういえば、お腹すかない｣
｢‥‥確かに｣
気づいたところで、あまり驚きはしなかった。
疲れない、空腹がない、痛みがない。
まるで本当に、ゲームの中のキャラクターのような。
｢とにかく、少し落ち着いたら次に行こう｣
｢‥‥え｣
｢‥‥行くしかないだろ｣
｢‥‥はい｣
テーブルにある武器を物色しながら、えおえおさんは言っていた。
確かに、ここにいてもしょうがない。
でも。
｢‥‥‥‥少し、お話しませんか｣
｢‥‥‥‥話？｣
武器から目を離し、わたしを見るえおえおさん。
わたしは知りたかった。
少なからず、これから命を預けることになるであろう、たった1人の��協力者��である、彼のことを。
｢‥‥そうだね｣
えおえおさんはちょっと考えたあと、武器を置いた。
良かった。嫌じゃなかったみたいだ。
｢‥‥俺ショットガンよりスナイパーのほうが好きなんだ｣
｢‥‥そういう話はいいです｣
｢‥‥え？｣
→
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豆しば(プロフ) - こんにちは。 今回のl4d2のお話もすごく面白かったです！ chapter１ということで続きがどうなるのかと想像してしまいます...！！ 楽しく読ませていただき、ありがとうございました。ツイッタの方もフォローさせて頂いてます、応援しております！ (2018年1月29日 14時) (
レス) id: 69e60a1d87 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です！！いつも最後まで見守って頂き感謝です！！引き続きお楽しみ頂けるよう頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - まるたろさん» コメントありがとうございます！！大変嬉しいお言葉でございます……！これからも自己満足で好き勝手書き殴っていた方がいいのかもしれないと思い始めました笑 こらからも頑張ります！ありがとうございます！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - もさん» コメントありがとうございます！結構自己満足覚悟で書いていたので、そう言って頂けて嬉しいですっ！これからも頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
FB厨 - 完結お疲れ様です！次回作も楽しみにしています(。・ω・。) (2017年6月12日 7時) (レス) id: 94e1868e74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年6月7日 20時
