第35話 ページ35
片手をロープにかけ、もう一方の腕をわたしの腰を支えるようにまわしてくれるえおえおさん。
｢落ちるなよ｣
｢‥‥ここまできて落ちたらもう死んだほうがマシです｣
真下に視線を向ければ、もう落ちたらタダじゃ済まない程の高さまで来ている。
先程わたしたちがいた場所には、３桁はゆうに超えているだろう数のゾンビ達。
あの中に、わたしたちはいたのか。
｢‥‥‥‥脱出だ｣
ぽそりと呟いたえおえおさんを見上げる。
案外近くにあったその顔は、なんだか妙に疲れた顔をしている。
｢‥‥よく頑張ったな｣
｢‥‥隊長のおかげです｣
｢‥‥やめろよそれ｣
笑いながら視線をそらすえおえおさんは、穏やかだ。
｢いくぞ。せーの、｣
｢‥‥んんっ｣
｢、よいしょ｣
抱き上げられ、ようやくヘリの中へと到着する。
脱出できた安心感からか、それとも単なる疲労か、やっとのことでハシゴを登っても、そこから機内へとあがれずに、あろまさんに引っ張りあげてもらった。
｢ありがとうございます｣
｢疲れねーから全然へーき｣
事もなさげに言うので、ほんとになんとも無いのだろう。良かった、体重がバレるところだった。
やがてえおえおさんも機内へと乗り込み、5人が揃う。
｢｢｢｢｢‥‥‥‥はぁーーーーー｣｣｣｣｣
長い長い、ため息が重なった。
｢‥‥俺ら、生きてるよな｣
覇気のない、FBさん。
｢‥‥もうやだいたい、むり｣
擦りむいた肘を按じるきっくん。
｢‥‥なんか、どっと疲れた｣
放心状態のあろまさん。
｢‥‥‥‥眠い｣
そのまんま、眠そうなえおえおさん。
｢‥‥(‥‥この人達がいなかったら、わたし、)｣
4人の憔悴しきった顔を見て、ぎゅっと胸を抑える。
彼らがいなかったら、わたしはとっくに。
｢‥‥‥‥寝るか｣
不意にえおえおさんが呟くと、みんなはこくこくと頷いた。
無理もない。ずっと気を張りっぱなしだったから、いくら身体は疲れを感じなくても、精神的にキてしまったのだろう。
かく言うわたしも、疲れや空腹を通り越して、ただただ眠い。
壁に寄りかかるえおえおさんの隣に座り込む。
｢‥‥‥‥現実世界に戻ったら、みんなで酒でも飲むか｣
そう言って、わたしの隣に座るきっくん。
｢まずは飯だろ｣
あろまさんは、えおえおさんの隣。
｢ピザ食いてぇ｣
FBさんはきっくんの横。
｢‥‥楽しみです｣
微睡みの中、自然と零れた笑顔のまま、そっと目をつぶった。
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豆しば(プロフ) - こんにちは。 今回のl4d2のお話もすごく面白かったです！ chapter１ということで続きがどうなるのかと想像してしまいます...！！ 楽しく読ませていただき、ありがとうございました。ツイッタの方もフォローさせて頂いてます、応援しております！ (2018年1月29日 14時) (
レス) id: 69e60a1d87 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です！！いつも最後まで見守って頂き感謝です！！引き続きお楽しみ頂けるよう頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - まるたろさん» コメントありがとうございます！！大変嬉しいお言葉でございます……！これからも自己満足で好き勝手書き殴っていた方がいいのかもしれないと思い始めました笑 こらからも頑張ります！ありがとうございます！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - もさん» コメントありがとうございます！結構自己満足覚悟で書いていたので、そう言って頂けて嬉しいですっ！これからも頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
FB厨 - 完結お疲れ様です！次回作も楽しみにしています(。・ω・。) (2017年6月12日 7時) (レス) id: 94e1868e74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年6月7日 20時
