第34話 ページ34
片膝をつき、スコープをのぞき込んで、みんなの腰元にあいた僅かな隙間から、向かい来る敵を狙い打つ。
｢タンク倒したー！｣
｢きっくんよくやった！！｣
｢パイプボム投げるぞ！！｣
｢いいね！！｣
もう幾度となくウェーブを乗り越えた。
特殊感染者は見つけ次第、こちらに到達する前に打ち負かす。
宣言通り、彼らは一歩も引かなかった。
｢そろそろか！？｣
｢A！上空確認して！｣
｢はい！｣
目の前で手一杯の彼らに代わって、立ち上がって空を見る。
前方に。
｢‥‥あ！ヘリが！！｣
黒く大きな鉄の塊が、こちらに向かっているのが見えた。
｢キターーー！！！｣
｢てめーら気抜くなよクズ共！｣
｢もう少しの辛抱だ！！｣
｢ぶっ殺せぇえ！！！｣
一気に士気が上がる。
わたしもぐっと唇を噛み締めて、溢れそうになる涙を堪えながら、再び腰を落として銃を構えた。
もう少し。もう少しだ。
やがてヘリのプロペラの音が大きくなり、先程やぐらが立っていた位置の真上でホバリングし始める。
程なくして、ヘリから投げ出されるように、ロープで出来たハシゴが降りてきた。
｢よし！！走れ！！｣
きっくんが先頭を切って走り出す。それに続いて、全員一直線にそのハシゴまで駆け出した。
｢行け！行けっ！｣
｢Aついてきてる！？｣
｢は、はいっ、｣
わたしは最後尾で、必死に足を動かしていた。
これまでの疲労や、もとよりの運動不足が祟ってなかなかみんなに追いつけない。
こちらを見ながら走っていたえおえおさんが、見兼ねてわたしの横まで下がってきた。
｢来て！｣
｢あっ、｣
強く、手首を掴まれた。
そのまま引き寄せるように引っ張られ、腰に腕を回されると、強制的にえおえおさんのスピードで走らされる。
｢先に行って！！｣
｢はい！｣
｢A掴まれ！｣
｢っ、ううっ！｣
ハシゴに登っていたあろまさんの手に飛びつく。
その勢いのまま、風に揺れるロープにしがみつくと、すぐにえおえおさんも飛び乗ってきた。
わたしが一番下の部分で停滞しているため、2人で同じ場所に足をかける。
｢う、わ、｣
同時に、ぐんっ、と身体が上昇していくのがわかった。
ヘリが、上へ上へと登っていく。
｢うしろ大丈夫かー！｣
｢Aちゃん乗ってる？！｣
｢FBさん！きっくん！大丈夫です！｣
すぐ真上はあろまさんだから、見上げてもFBさんときっくんは見えないけど。
声が聞こえてきて安心した。
全員、生きている。
→
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豆しば(プロフ) - こんにちは。 今回のl4d2のお話もすごく面白かったです！ chapter１ということで続きがどうなるのかと想像してしまいます...！！ 楽しく読ませていただき、ありがとうございました。ツイッタの方もフォローさせて頂いてます、応援しております！ (2018年1月29日 14時) (
レス) id: 69e60a1d87 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です！！いつも最後まで見守って頂き感謝です！！引き続きお楽しみ頂けるよう頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - まるたろさん» コメントありがとうございます！！大変嬉しいお言葉でございます……！これからも自己満足で好き勝手書き殴っていた方がいいのかもしれないと思い始めました笑 こらからも頑張ります！ありがとうございます！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - もさん» コメントありがとうございます！結構自己満足覚悟で書いていたので、そう言って頂けて嬉しいですっ！これからも頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
FB厨 - 完結お疲れ様です！次回作も楽しみにしています(。・ω・。) (2017年6月12日 7時) (レス) id: 94e1868e74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年6月7日 20時
