第4話 ページ4
先程まで独りで歩いていた廊下を、えおえおさんと2人で急ぎ足で進む。
｢ハンドガンはある？｣
｢ハンド‥‥？｣
｢これ、この小さいヤツ｣
えおえおさんが、後ろのポケットから1丁の拳銃を取り出した。
映画等でよく見るそれは、光のないこの薄暗い場所でも鈍く黒光りしている。
｢‥‥えっと‥‥あ、あった｣
｢‥‥やっぱりか‥‥｣
わたしも同じように、後ろに手を回してみれば、しまった覚えのない場所に、ご丁寧にホルスターまで装備してあって驚いた。
わたし、いつの間にこんなものを。
｢多分だけど、それは初期装備だ｣
｢‥‥初期｣
｢どんな武器を手に入れても、それは関係なく所持出来るものだと思う｣
｢‥‥所持｣
言っていることがよくわからないので、とりあえず手に持ったそれをしまいながら、オウム返しで頷く。
｢‥‥ここはどこなんです？｣
詳しくは安全な場所で、と言われていたが。
知らないことが多すぎて、無知が怖くなって、たまらずに聞いてしまった。
えおえおさんは1度黙って、じっとわたしを見下ろす。
｢‥‥ここは、L4Dっていうゲームの、世界｣
だと思う。
曖昧な語尾をつけて、えおえおさんはぽそりと答えてくれた。
‥‥‥‥。
ゲーム。
｢‥‥‥‥｣
｢‥‥‥‥いや、そんな顔されても｣
｢‥‥ごめんなさい｣
何を言ってんだ、という顔をしてしまったかもしれない。
しかし、俺も信じられないけど、とえおえおさんが言葉を続けるので、また黙って見つめ返す。
｢簡単に言えば、多分ここは、ゾンビがいる世界｣
｢‥‥‥‥ゾンビ？｣
｢そう。ちなみにさっきAさんが襲われてたのは、ウィッチっていうやつだと思う。ここは、あーいう奴らがたくさんいる。むしろあーいうのしかいないと思っていい｣
｢‥‥‥‥‥‥‥‥｣
にわかに信じ難い。
だが確かに、わたしは実際に見たし、襲われたし、何より。
｢‥‥この右下のゲージは、自分のHP‥‥要は、体力ゲージみたいなもんだ、きっと｣
そう。
この視界に映る、わたしの黄色いゲージと、えおえおさんの緑の満タンのゲージが、何よりここがそういう世界であることの証明だ。
｢俺達は多分、L4Dの世界に、引きずり込まれたんだ｣
カチャリと、拳銃とは違う大きな銃‥‥ライフルをリロードしながら、えおえおさんは呟いた。
言ってることは、よくわからないのに。
なんだかやけに、背中に汗が伝っていくのがわかった。
→
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豆しば(プロフ) - こんにちは。 今回のl4d2のお話もすごく面白かったです！ chapter１ということで続きがどうなるのかと想像してしまいます...！！ 楽しく読ませていただき、ありがとうございました。ツイッタの方もフォローさせて頂いてます、応援しております！ (2018年1月29日 14時) (
レス) id: 69e60a1d87 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です！！いつも最後まで見守って頂き感謝です！！引き続きお楽しみ頂けるよう頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - まるたろさん» コメントありがとうございます！！大変嬉しいお言葉でございます……！これからも自己満足で好き勝手書き殴っていた方がいいのかもしれないと思い始めました笑 こらからも頑張ります！ありがとうございます！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - もさん» コメントありがとうございます！結構自己満足覚悟で書いていたので、そう言って頂けて嬉しいですっ！これからも頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
FB厨 - 完結お疲れ様です！次回作も楽しみにしています(。・ω・。) (2017年6月12日 7時) (レス) id: 94e1868e74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年6月7日 20時
