第19話 ページ19
返り血なのか自身のものなのか、よくわからないが血塗れのまま、背中を向けたその人は、ゆらりと振り返ると、その鋭い眼光をわたしに向けた。
わたしは人生で、初めて。
チビるかと思った。
｢お、おいあろま、大丈夫か！｣
いつの間にか横まで来ていたFBさんが大きく手を振って、その声にはっとする。
やばい、怖すぎていい年してチビるところだった。
｢‥‥え、あの人？あろまさん？ですか？｣
｢そだよ｣
｢生きてて良かった！｣
えおえおさんに聞けば、ほっとしたように答えてくれた。
え、待って。あの人、敵じゃないの？
だって見てよ。すごいよ、あの顔。
｢てめーらおせーんだよクズ殺すぞ｣
ほらなんか言ってる！！！！
殺すとか言ってる！！！！！
ビビって指一本動かすことも出来ないわたしの前に、あろまさんが死体の山から、すとんと降りてくる。
ピッ、と日本刀の血を振り払うと、背中にそれを納めた。
｢誰コイツ｣
｢生存者。A｣
｢ここまで３人で来たんだぜ！｣
喋れないわたしのかわりに、えおえおさんとFBさんが紹介してくれた。
待って待って。この人怖すぎ。下手したらゾンビなんかより数億倍怖い。
｢ん｣
｢‥‥え｣
突然、手を差し出されて、はっとしてその顔を見上げる。
あ、握手？
｢(‥‥意外と友好的‥‥？)｣
じっと見つめたまま、恐る恐る手を差し出せば。
｢ちげーよ、救急キットよこせ｣
｢あ、はい｣
どうやら握手じゃなくて、わたしの携帯している救急キットをご所望のようだった。
この人ヤバすぎ。
｢あろま待って、俺のにして。Aはそれ自分で持ってて｣
｢そーだな！念のためAちゃんは持ってたほうがいいし！｣
｢なんでもいいから早くよこせ｣
｢‥‥‥‥｣
えおえおさんが、わたしを静止して自分の救急キットをあろまさんに手渡した。
やばい、わたしこの人と打ち解けられる気がしない。
視界の端のあろまさんのHPがぽわんと緑色に戻り、ふぅ、とため息をついたあろまさんと、不意に目が合う。
｢‥‥あろまほっと。よろしく｣
｢‥‥A、です。よろしくお願いします‥‥｣
｢‥‥なにその顔。別に取って食ったりしねーよ｣
｢‥‥ごめんなさい｣
どうやら顔に出ていたようで、慌てて俯く。
あろまさんはくくく、と、低く喉の奥で笑ったあと。
｢で、なに？こいつを守りながら行けばいいの？｣
えおえおさんと、FBさんにそう問いかけた。
‥‥あれ。
意外といい人？
→
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豆しば(プロフ) - こんにちは。 今回のl4d2のお話もすごく面白かったです！ chapter１ということで続きがどうなるのかと想像してしまいます...！！ 楽しく読ませていただき、ありがとうございました。ツイッタの方もフォローさせて頂いてます、応援しております！ (2018年1月29日 14時) (
レス) id: 69e60a1d87 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です！！いつも最後まで見守って頂き感謝です！！引き続きお楽しみ頂けるよう頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - まるたろさん» コメントありがとうございます！！大変嬉しいお言葉でございます……！これからも自己満足で好き勝手書き殴っていた方がいいのかもしれないと思い始めました笑 こらからも頑張ります！ありがとうございます！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - もさん» コメントありがとうございます！結構自己満足覚悟で書いていたので、そう言って頂けて嬉しいですっ！これからも頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
FB厨 - 完結お疲れ様です！次回作も楽しみにしています(。・ω・。) (2017年6月12日 7時) (レス) id: 94e1868e74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年6月7日 20時
