第13話 ページ13
｢Aちゃんいい？こう言った分かれ道では、まずは敵がいないかを確認する作業が必要になってくるよ｣
｢はい｣
進行方向を決めたFBさんが、先頭を歩きながら説明してくれる。
｢この作業を、専門用語でクリアリングと言います！｣
｢はい｣
｢まずは俺がやってみるから、同じようについてきてね！｣
｢はい｣
ライフルを構えて曲がり角のすぐ手前まで行くと、FBさんはサッと壁に背中をつけた。
ジャケットの袖をまくって、気合いを入れている。
｢‥‥行くよ｣
｢‥‥‥‥｣
｢‥‥あいつ、現実世界だとめちゃくちゃ運動音痴なんだよ｣
｢‥‥‥‥まじすか｣
FBさんを見守るわたしに、えおえおさんがこっそり耳打ちしてきた。
笑うからやめてそーゆーの。
｢FB様の手にかかれば例え敵がいたとしても、このショットガンで粉々にして、｣
シュルリ。
｢‥‥え｣
｢あ｣
｢あ｣
FBさんの身体に、細長い何かが巻きついた。
瞬間、ぐん！と引きずられるように、FBさんが曲がり角の奥に消えていく。
｢ああぁああ！！！！死ぬ！！これは死ぬ！！！！｣
｢FBさん！！！｣
｢やばい！！スモーカーだ！！｣
追いかけるように曲がり角を曲がれば、普通のゾンビとはまた違う、顔中がボコボコと変形した気持ちの悪いものが、その舌をFBさんに巻き付けて引きずり込んでいる。
そうか、あれはベロだったのか！
｢たすけて！！！｣
｢待ってろ、今っ、‥‥！｣
バシャッ！！
｢わあ！！｣
｢うあっ！！｣
切羽詰まったえおえおさんの声に続くように。
後ろから、勢い良く液体のようなものがかかった。
慌てて振り返れば、大きく口の裂けた女の人のようなゾンビが、床中に何かの液体を吐き散らしている。
｢やばい！！｣
反射的にその女ゾンビを撃ち抜く。
しかし、吐き出された緑色の液体がまだ残っている。
｢Aさん！そこから離れて！｣
｢え、｣
はっとしてゲージを見る。
さっきまで満タンだったはずのHPが、半分以上削られていた。
｢その液体はダメージ判定がある！！早く！！｣
｢は、はい！！｣
慌ててその液体の海を飛び越え、元いた分岐点の廊下に戻った。
慌てて振り返れば、えおえおさんはFBさんを拘束するスモーカーを狙い打ち続けていた。
わたしも加勢しようとAKを構える。
しかし。
｢ウオアアアアアア！｣
｢っ、ああっ！！｣
横から、4体のゾンビがわたし目掛けて飛びついた。
しまった。
油断した！！
→
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
豆しば(プロフ) - こんにちは。 今回のl4d2のお話もすごく面白かったです！ chapter１ということで続きがどうなるのかと想像してしまいます...！！ 楽しく読ませていただき、ありがとうございました。ツイッタの方もフォローさせて頂いてます、応援しております！ (2018年1月29日 14時) (
レス) id: 69e60a1d87 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です！！いつも最後まで見守って頂き感謝です！！引き続きお楽しみ頂けるよう頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - まるたろさん» コメントありがとうございます！！大変嬉しいお言葉でございます……！これからも自己満足で好き勝手書き殴っていた方がいいのかもしれないと思い始めました笑 こらからも頑張ります！ありがとうございます！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - もさん» コメントありがとうございます！結構自己満足覚悟で書いていたので、そう言って頂けて嬉しいですっ！これからも頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
FB厨 - 完結お疲れ様です！次回作も楽しみにしています(。・ω・。) (2017年6月12日 7時) (レス) id: 94e1868e74 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こばやし
| 作成日時：2017年6月7日 20時
