第12話 ページ12
｢Aちゃんﾀｽｹﾃｯ｣
｢‥‥‥‥‥‥｣
わたしの後ろで、ぷるぷると身体を震わせるFBさん。
わたしの目の前には、ちょっと大きめの、蜘蛛。
｢‥‥‥‥｣
｢‥‥‥‥ああっ、待って！｣
スタスタとFBさんを置いてえおえおさんと歩けば、FBさんは慌ててついてくる。
｢女の子は男が守るんじゃないんですか｣
｢お前女の子に守られてどうすんだよ｣
｢しゃーねーだろがよ！男の子にだって苦手なもんはあんだよ！！｣
FBさんは虫が苦手のようだ。遭遇する度にわたしやえおえおさんの後ろに隠れてやり過ごそうとするが、正直言ってわたしも虫は得意じゃない。自分でなんとかしろ。
食堂を抜けて、再び薄暗い廊下に差し掛かる。
｢それにしても、ここはなんなんだろうな｣
｢やたら廊下長いですしね｣
｢俺は目ぇ覚めたらさっきの場所にいたぜ｣
｢俺はなんか倉庫みたいなとこ｣
｢わたしは会議室みたいなとこです｣
歩きながら、考察する。
それぞれ別の場所で目が覚めたみたいだ。
FBさんに至っては、わたし達が１回セーフルームを経由してからの合流だし。
｢まぁ兎にも角にも、次のセーフルームまで一旦考えるのは辞めよう｣
｢そうだな！｣
｢はい｣
隊長に従う。
とりあえず今のところ、えおえおさんに従っていれば間違いがない。彼が言うのだから、そうした方が良いのだろう。
横並びでライフルを構えながら歩くFBさんとえおえおさんの後ろで、同じく体制を低くして足を進める。
｢‥‥‥‥あ｣
不意に、えおえおさんが立ち止まった。
進行方向を見れば、数メートル先に、直線で続く相変わらずの暗い廊下と、右へと続く曲がり角。
｢‥‥分かれ道だ｣
そう。分岐点である。
｢‥‥どうする？｣
｢二手に分かれますか？｣
｢それは絶対だめ！｣
｢うん、やめたほうがいい。1人になったらこのゲーム、終わる｣
｢‥‥じゃあ、どっちに？｣
｢‥‥‥‥｣
2人とも、何も言わない。
多分考えているんだろう。
やがて、数秒黙り込んだあと。
｢‥‥‥‥まっすぐ行こう！｣
FBさんが、進行方向をびしっと指さした。
｢‥‥えおえおさん、まっすぐでいいですか？｣
｢‥‥まぁ、いいんじゃない｣
｢じゃあ、まっすぐで｣
｢待って！！えおえおの許可必要なの！？｣
｢隊長なので｣
｢マジかよ！！！｣
｢うるせー｣
うん。
FBさんには大変申し訳ないが、なんとなく、えおえおさんの指示を仰いでしまう。
さながら隊長の指示を待つ一般兵のごとく。
→
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豆しば(プロフ) - こんにちは。 今回のl4d2のお話もすごく面白かったです！ chapter１ということで続きがどうなるのかと想像してしまいます...！！ 楽しく読ませていただき、ありがとうございました。ツイッタの方もフォローさせて頂いてます、応援しております！ (2018年1月29日 14時) (
レス) id: 69e60a1d87 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です！！いつも最後まで見守って頂き感謝です！！引き続きお楽しみ頂けるよう頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - まるたろさん» コメントありがとうございます！！大変嬉しいお言葉でございます……！これからも自己満足で好き勝手書き殴っていた方がいいのかもしれないと思い始めました笑 こらからも頑張ります！ありがとうございます！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - もさん» コメントありがとうございます！結構自己満足覚悟で書いていたので、そう言って頂けて嬉しいですっ！これからも頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
FB厨 - 完結お疲れ様です！次回作も楽しみにしています(。・ω・。) (2017年6月12日 7時) (レス) id: 94e1868e74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年6月7日 20時
