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第20話 ページ20

「お待たせしましたー」

両手にお料理を乗せた店員さんが、テーブルの上を埋める。

「わあ!美味しそう!」

以前、あろまさんがよく行くと言っていたのを聞いたので、今日は某いきなりハンバーグさんに来ている。
目の前に並べられたハンバーグはボリューミーかつジューシーで、きらきらしている。

「風呂上がりにコレか‥‥」
「いいじゃないですか!ハンバーグ!!」
「‥‥いいけどよ」

お腹がすいていたわたしはテンションマックスだ。
かく言うあろまさんも満更でもない顔をしていて、いただきまーす、なんて手を合わせている。

「いただきますっ!」
「うま」
「お肉食べるあろまさんも素敵!」
「いいから食え」
「はぁーい!」

わたしもナイフとフォークを手に取った。

一緒にご飯を食べに行くようになってわかったが、あろまさんは痩せの大食いだ。たまに食べきれなくて残してしまったわたしの分まで食べてくれる。
その身体のどこにその量が入っていくんだろうといつも不思議に思うが、たくさん食べる人は好きだし、そこはもうあろまさんなのでやっぱり素敵だと思う。

「おいしいっ!」
「‥‥お前調子に乗って残すなよ」
「お腹すいてるから大丈夫です!!」
「こないだもそれ言って結局残したじゃねーか」

ふふー、と笑って誤魔化しておいた。
ハンバーグはおいしいし、呆れながら微笑むあろまさんはかっこいい。幸せだ。









「お腹いっぱい!」
「‥‥食いすぎた」

外に出る。

「腹はち切れそう」
「あろまさんよくあの量食べきりましたね」
「お前が調子こいて残すからだろ」
「今日はイケると思ったんです!」
「死ね」
「ありがとうございます!!!」

結局残したわたしは、あろまさんに全部食べてもらった。
笑って、真っ暗な夜空を見上げる。
銭湯を挟んだからか、いつもの収録終わりよりも夜は更けていて、時間はもう終電に近い。

「きっくんたちは帰れましたかね?」
「知らねー。テキトーに帰っただろ」

他愛もない話をしながら歩く、駅までの道。
もちろん、あろまさんの腕にぴったり抱きついている。


駅について、いつもばいばいをする改札前で、立ち止まる。


「あろまさんありがとうございました!今日も世界一かっこよかったです!!」
「あーはいはい良かったですね」
「もう!照れ屋さんなんだからっ!」
「うるせー馬鹿」

相変わらずつれないことを言いながら、しっしと手を振るあろまさん。

「‥‥」
「‥‥」

少しだけ、沈黙が訪れた。


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すみれいん(プロフ) - 何回読んでも好きです (9月13日 14時) (レス) @page32 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
サク(プロフ) - どこまでもまっすぐな主人公ちゃんに泣きそうになりました。こばやしさんの作品が大好きです。 (2019年1月8日 3時) (レス) id: c03c28efdb (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - たきこみご飯さん» コメントありがとうございます!なかなかに長い戦いでしたが、そう言って頂けると救われます……!これからも喜んで頂けるように頑張りますので、次回作も何卒よろしくお願い致します! (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です!いつも嬉しいご感想ありがとうございます!なんとかここまできたので、次もこそこそ頑張ります!笑 次回作も何卒よろしくお願い致します! (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - カンナさん» お世話様です!なんとかハッピーエンドまで漕ぎ着けました……お喜びいただけて感無量でございます……!次回作も何卒、よろしくお願い致します! (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こばやし | 作成日時:2017年5月28日 17時

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