第17話 ページ17
｢‥‥よし｣
髪を乾かして、借りたタオルを返却口に入れる。
化粧水も付けたし、すっぴんだけど、まいっか。
『押してダメなら引いてみろ作戦は絶対に成功するから、Aちゃんはひたすら待ってればいいよ』
収録後、コンビニに行く途中の作戦会議で、きっくんはそう言っていた。
自信満々なその顔を見て、なんとなく抗議出来ずに、言われるままこうして大人しくしてるけど。
｢‥‥‥‥(ほんとにこれだけで、あろまさんは振り向いてくれるのかな)｣
ロビーのベンチに座りながら考える。
とりあえずきっくんに、あろまさんにはこのままの体制を取り続けろと言われた。このままの体制とは、押してダメなら引いてみろ作戦のことで。
飛びつきたい衝動を我慢して、その後を過ごしている次第である。
｢Aちゃん！｣
｢あ、FBさん、とえおえおさん！｣
座っていれば、さっぱりしたFBさんとえおえおさんが歩いてきた。
｢あれ、後のお2人は‥‥｣
｢なんかサウナでのぼせたらしくて、いま扇風機で涼んでる｣
｢サウナで限界超えるとああなるんだな、勉強になったわ！｣
｢ふふ、満喫したみたいですね｣
まるで行動が高校生みたいだ。きっと我慢勝負でもしてたんだろうな、なんて思って笑ってしまった。
｢コーヒー牛乳でも飲む？｣
｢飲みたいです！｣
｢俺フルーツオレ！！｣
｢お前は自分で買えよ｣
｢なんでだよ！！｣
｢はい、Aさん｣
｢わあ、ありがとうございます！｣
えおえおさんからコーヒー牛乳を受け取る。
3人で、腰に手を当ててぐいっと飲めば、冷えたコーヒー牛乳が身体の中を伝うのがわかった。
よくお風呂で温まった身体には心地いい冷たさだ。
｢うんめー！｣
｢やっぱコレだな｣
｢幸せー！｣
｢やっすい幸せ！！｣
｢あははは｣
うん。来てよかった。
｢あー暑いー｣
｢めっちゃ汗かいた｣
｢お、おかえりー｣
やがて、顔も腕も真っ赤っかのあろまさんときっくんが戻ってきた。
｢コーヒー牛乳飲みたい｣
｢俺らもう飲んじゃった｣
｢はぁー？！先走り過ぎだろお前ら！｣
｢きっくんたちがのぼせてんのがいけねーんだろ！！｣
｢銭湯っつったらこんなもんだろーが！｣
うん、やはりみんな揃うと騒がしい。
ふふ、と笑っていると、不意にあろまさんと目が合った。
｢あろまさん真っ赤っかですよ｣
｢うっせ｣
やはり衝動を抑えて控えめに言ってみれば、目をそらされた。
‥‥‥‥ほんとにこの作戦大丈夫？
→
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すみれいん(プロフ) - 何回読んでも好きです (9月13日 14時) (
レス) @page32 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
サク(プロフ) - どこまでもまっすぐな主人公ちゃんに泣きそうになりました。こばやしさんの作品が大好きです。 (2019年1月8日 3時) (レス) id: c03c28efdb (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - たきこみご飯さん» コメントありがとうございます！なかなかに長い戦いでしたが、そう言って頂けると救われます……！これからも喜んで頂けるように頑張りますので、次回作も何卒よろしくお願い致します！ (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です！いつも嬉しいご感想ありがとうございます！なんとかここまできたので、次もこそこそ頑張ります！笑 次回作も何卒よろしくお願い致します！ (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - カンナさん» お世話様です！なんとかハッピーエンドまで漕ぎ着けました……お喜びいただけて感無量でございます……！次回作も何卒、よろしくお願い致します！ (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年5月28日 17時
