第15話(A side) ページ15
｢大人4人と、小学生1人｣
｢おい待て、小学生どこにいる？｣
｢きっくん｣
｢おーいおいおい！！オトナ！俺オトナ！！｣
カウンター前ではしゃぐ自称オトナ共を後ろから見守る。
クソ恥ずかしい。受付のオネーサン苦笑いしてんじゃねーか。やめろ。
しかし結局こうなる。もはや強制連行だ。
だが黙って帰るわけにもいかない。ちょうど、そう、ちょうど温泉行きたい気分だったし。そうそれ。別に他意はない。
ひと通り受付を済ませ、タオルを持って浴場へと向かう。
｢ではみなさん、また後ほど！｣
｢じゃあなお前ら、喧嘩すんなよ｣
｢おいきっくん、なにナチュラルに女湯入ろうとしてんだ｣
｢お前もこっちだろ！！｣
｢えーーAちゃんとしっぽりガールズトークしたいーー！｣
｢馬鹿か！！｣
何がガールズトークだアホか死ね。
セクハラオヤジに手を振って、あいつは女湯へと入っていった。
駄々をこねるきっくんを引きずって、俺らも男湯へと足を進める。
｢で、先程からだんまりのあろまさんはどんな心境ですかー？｣
割り当てられたロッカーに荷物をぶち込んだ所で、となりのきっくんが意地汚い笑顔で問いかけてきた。うざい。
｢‥‥なにが｣
｢いつもAちゃんとべったべたしてるのに、今日はちょっと寂しいんじゃない？｣
｢べたべたしてくんのはあいつだろ。せいせいしてるわ｣
｢あらら！強がっちゃって！｣
｢うっざ｣
Ｔシャツを脱ぎ捨てる。
パンツのベルトを外すと、既に素っ裸になったFBが先行くぞ！なんて意気揚々と前を隠しもせずに向かって行った。
｢銭湯なんて久しぶりだなー｣
｢まぁ俺はFBと撮影で何度か行ってるけど｣
｢たまにはいいよな！｣
｢こんな近くにあんならわりとアリだな｣
カラカラと浴場への扉を開けば、むわりと熱気が漂う。
平日だからか人はまばらで、身体を洗う場所にはもはやFBしかいなかった。
｢とりあえず綺麗さっぱり汗流して、ボーイズトークにでもしゃれこみますか！｣
｢お前さっきからそればっかだけど、俺らもう三十路だからな｣
｢うるせーな！心はまだ中学生なんだよ！あろまなんて見ろ！小学生みたいな身体してるだろ！｣
｢あ？お前言ったな？触れちゃいけないこと言ったな？｣
｢あーごめん！やめて！熱湯はかけないで！｣
シャワーの温度を無理やりひねり上げれば、きっくんは逃げるように飛び退いた。
痩せてるだけだし。チビじゃねーし。
いい歳したおっさんが、銭湯で大はしゃぎである。
→
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すみれいん(プロフ) - 何回読んでも好きです (9月13日 14時) (
レス) @page32 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
サク(プロフ) - どこまでもまっすぐな主人公ちゃんに泣きそうになりました。こばやしさんの作品が大好きです。 (2019年1月8日 3時) (レス) id: c03c28efdb (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - たきこみご飯さん» コメントありがとうございます！なかなかに長い戦いでしたが、そう言って頂けると救われます……！これからも喜んで頂けるように頑張りますので、次回作も何卒よろしくお願い致します！ (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です！いつも嬉しいご感想ありがとうございます！なんとかここまできたので、次もこそこそ頑張ります！笑 次回作も何卒よろしくお願い致します！ (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - カンナさん» お世話様です！なんとかハッピーエンドまで漕ぎ着けました……お喜びいただけて感無量でございます……！次回作も何卒、よろしくお願い致します！ (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年5月28日 17時
