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第13話(A side) ページ13

楽屋に挨拶に来たあいつを見て、俺はすぐに気付いた。

あいつ、べたべたくっつくのやめる作戦かなんかで仕掛けてきてやがるな。


「(あいつのことだ。どうせ、押してダメなら引いてみろ作戦とか銘打って俺に来させるつもりなんだろうな)」


いつも飛んでくるところを、挨拶だけでそれとなく澄ましているAを見ると、何かしら意図があって動いている事が見て取れる。
どこからか、『勘のいいガキは嫌いだよ‥‥』なんて聞こえてきそうなほどの推理力を働かせて、あいつの動向を探る。いやもうガキって歳じゃねーから。


楽屋に戻って、缶コーヒーをすすりながら思考をめぐらせた。


「(まぁいい)」


どんな手でこようと、俺が返り討ちにしてやろうじゃねーか。


「なにニヤニヤしてんの」
「!?」

不意に声をかけられて、驚いて肩がびくついた。
すぐそばに、えおえおが立っていた。

「‥‥‥‥んだよお前いたのかよ」
「ずっといたけど」
「無駄にステルス使うのやめろ殺すぞ」
「‥‥理不尽」

危うく落としそうになったコーヒーをすする。
そういえば、他の奴らがまだ戻ってねーな。

「‥‥あいつらは?」
「なんかコンビニ行くとか言ってAさん連れて3人で外行ったよ」
「ふーん」

なるほど、そう来たか。
もしや押してダメなら引いてみろじゃなく、ヤキモチを妬かせる作戦か?
しかし残念ながらあいつら相手に妬けるほど、俺はガキじゃない。そもそも妬くような相手じゃない。

どっかりとソファにでも座って、待ち構えていようじゃないか。



「たっだいまーー!」

程なくして、きっくんが楽屋に飛び込んできた。

「うわ!お前ら2人だと楽屋チョー静か!」
「オラァ!!FB様のお帰りだぞ!!えおえお!えおえおぉぉおお!!」
「うるせーなお前!」

一気に騒がしくなる。
コーヒーをすすりながら黙って視線をやれば、きっくんは手に持っていた大きめのビニール袋を、るんるんと鼻歌なんて歌いながらゴソゴソと漁り始めた。

あれ?あいつがいない。

「Aさんは?」

えおえおが問いかけた。ナイス。

「今楽屋に着替えに戻ってるよー」
「アイス買ってきたから、帰れる準備してまた来るって!!ここでゆっくり食べたいみたい」
「ふーん」

ほうほう。あえて俺がいるこの場に留まるつもりか。なるほど。わからん。どういうつもりだ。


「失礼しまーす!」


やがて、あいつがノックと共にやってきた。


さぁ、どう来る?


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すみれいん(プロフ) - 何回読んでも好きです (9月13日 14時) (レス) @page32 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
サク(プロフ) - どこまでもまっすぐな主人公ちゃんに泣きそうになりました。こばやしさんの作品が大好きです。 (2019年1月8日 3時) (レス) id: c03c28efdb (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - たきこみご飯さん» コメントありがとうございます!なかなかに長い戦いでしたが、そう言って頂けると救われます……!これからも喜んで頂けるように頑張りますので、次回作も何卒よろしくお願い致します! (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です!いつも嬉しいご感想ありがとうございます!なんとかここまできたので、次もこそこそ頑張ります!笑 次回作も何卒よろしくお願い致します! (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - カンナさん» お世話様です!なんとかハッピーエンドまで漕ぎ着けました……お喜びいただけて感無量でございます……!次回作も何卒、よろしくお願い致します! (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こばやし | 作成日時:2017年5月28日 17時

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