第11話 ページ11
｢ううっ、失敗‥‥！｣
もはや逆壁ドンも失敗。むしろ返り討ちに遭ってしまった。恥ずかしすぎて消えたい気分。
ううー、と唸りながら、ほっぺたをテーブルにくっつける。
だめだ。もうあれしかない。
｢‥‥挨拶行こう｣
今日も今日とて収録である。
3週間ぶりのあろまさんだ。会いたくてたまらなかったけど、ここまで振り向いてもらえないとちょっと自信が無くなってきてしまう。
｢‥‥‥‥いや、だめよA｣
うん、諦めたらそこで試合終了。安西先生も言ってたじゃない。
ぱちん、と頬を叩いて、立ち上がる。
｢(‥‥ほんとは、やりたくないけど)｣
ここまできたら、この身を犠牲にしてでも強行手段に出るしかない。
これで、わたしを好きになって欲しい。
一大決心をして、自分の楽屋を出た。
コンコン。
｢おはようございます！｣
かちゃり、とドアノブを回す。よかった、鍵かかってなかった。
｢Aちゃんおはよー！｣
｢おはよう！！｣
｢はよっす｣
｢みなさん今日もよろしくお願い致します！｣
｢いえあ！！｣
｢いえあ！｣
元気なFBさんにいえあ返しをして、くるりと部屋を見回す。
あろまさんは、こちらに背を向けて座っていた。
｢あろまさん！｣
｢‥‥‥‥｣
のそ、と、あろまさんが振り向いた。
いつもは何より先に飛びついてしまうから、あれ、と思ってくれたかな？
｢おはようございます、今日もよろしくお願いしますね！｣
｢‥‥‥‥おう｣
精一杯の笑顔を向けて、わたしはまたきっくんたちに振り返る。
｢では、後ほど！｣
｢え？あ、う、うん！｣
｢またねー！｣
｢‥‥ども｣
ぱたりと、ドアを閉めた。
そう。わたしは、今日この日のこの作戦に賭けるのです。
��押してダメなら引いてみろ作戦��！！！
｢(これで、わたしの存在の大きさに気付くのよ！！あろまさん！！)｣
ふふふ、と人知れず笑みが零れる。
きっくんたちの反応だけでわかる、今日のわたしの対応が明らかに違うということに、気付いてもらえたこと。
｢(お話できないのは寂しいけど‥‥あろまさんが来てくれるのを、待つ！！)｣
そう、わたしは追いかけるばかりではない！追いかけられる女になるのよ！！！
さあ！わたしを好きになって！
→
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すみれいん(プロフ) - 何回読んでも好きです (9月13日 14時) (
レス) @page32 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
サク(プロフ) - どこまでもまっすぐな主人公ちゃんに泣きそうになりました。こばやしさんの作品が大好きです。 (2019年1月8日 3時) (レス) id: c03c28efdb (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - たきこみご飯さん» コメントありがとうございます！なかなかに長い戦いでしたが、そう言って頂けると救われます……！これからも喜んで頂けるように頑張りますので、次回作も何卒よろしくお願い致します！ (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です！いつも嬉しいご感想ありがとうございます！なんとかここまできたので、次もこそこそ頑張ります！笑 次回作も何卒よろしくお願い致します！ (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - カンナさん» お世話様です！なんとかハッピーエンドまで漕ぎ着けました……お喜びいただけて感無量でございます……！次回作も何卒、よろしくお願い致します！ (2017年6月5日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年5月28日 17時
