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第42話 ページ43

わたしが何か言うよりも早く、えおえおくんはぐっと距離を詰めてくる。

「あ、う、まって、」
「‥‥ん?」
「こ、心の準備が、まだ、」
「‥‥一回してるだろ」
「けど、」
「ほら」
「うむっ」

いやいやと逃げるように顔を逸らしていれば、両手で顔を挟まれた。
‥‥逃げられない。

「‥‥すごい面白い顔してるよ」
「‥‥えおえおくんのせいだよ」
「ふふ」
「笑わないでっ」


座る膝には、彼のお腹が触れていて。
ほっぺたは、その大きな手のひらに包まれて。


視線も吐息も、交わるほどに近い。



「‥‥明日から、教室でも話しかけていい?」
「‥‥‥‥うん」
「あろまに、Aのこと話してもいい?」
「‥‥う、うん」
「明日もまた、キスしていい?」
「‥‥‥‥っ、」


首を傾げるえおえおくんは、やっぱり、いじわるだ。



ちゅ。



返事もせずに、わたしからキスをした。



ぱっと離して、また戻る。




「‥‥‥‥意外と大胆だね」
「‥‥えおえおくんほどじゃないよ」




恥ずかしくて泣きそうになりながら見つめれば、今度こそ、えおえおくんからキスが降ってきた。




初めてした時とは違う。




心が満たされるような、あったかいキスだった。









ピロン。


ケータイが鳴る。



『帰れた?』



えおえおくんからだ。
校門でばいばいをしてから、まだ5分も経ってないのに。


「(せっかち)」


ふふ、と笑って、少し立ち止まってケータイを操作する。



『まだ学校前のコンビニだよ』


すぐ既読がつく。
間もなくして、返信がきた。


『もう会いたい』


ぽわ、と、頭も胸もとけるような感覚。
彼氏彼女がいる子達って、こんなに幸せな気持ちなんだな。


なんか‥‥もう‥‥死んじゃいそうっ。


知らないうちにとろけてしまった自分の顔に気付いて、ふるふると頭を振って、またメッセージを打ち込む。


『早く明日にならないかな』


恥ずかしいけど、ほんとの気持ちだ。


好き。好き。


どうしよう。もうそれしかない。
ちゃんと授業受けられるかな。少し心配だ。


「‥‥(初めての、彼氏)」


えおえおくんにとっては、初めての、彼女。



「‥‥ぅーーーっ」



ぎゅっとケータイを胸に抱き込んだ。





早く、会いたいっ!




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とん - 尊すぎてしにました…ありがとうございます… (2020年7月24日 23時) (レス) id: 3faf487191 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 素敵な作品でした〜読んでいてキュンキュンさせていただきました!!彼の口調とか言い回しが似ていて凄いなと尊敬しました。本当に凄いです!!最近ハマったのですがこれからもっともっとハマりそうです〜!!本当に素敵な作品ありがとうございました!! (2018年9月21日 14時) (レス) id: c0eacb0216 (このIDを非表示/違反報告)
りんご豆腐二世(プロフ) - 返信ありがとございます!!これからもこばやしさんの小説を楽しみにしてます!!頑張ってください(っ`・ω・´)っ (2017年7月10日 19時) (レス) id: 9165d543dd (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - りんご豆腐二世さん» コメントありがとうございます!レス遅くなり大変申し訳ありません……!学生時代に赤点を取りまくった国語ですが、ぶっちぎりで褒めて頂き大変光栄でございます!これからもキュンキュンして頂けるように頑張りますっ!!! (2017年7月10日 19時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
りんご豆腐二世(プロフ) - 初コメ失礼しますm(._.)mこばやしさんの小説は初めて読んだのですが、文章力が凄く私までキュンキュンしてしまいました!!これからも無理せず頑張ってください!!文章力がなくてすみませんm(;∇;)m (2017年6月26日 15時) (レス) id: 9165d543dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こばやし | 作成日時:2017年5月22日 21時

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