４(きっくん) ページ4
コンコン。
｢‥‥‥‥失礼します｣
返答のない、楽屋の扉を開ける。
そっと中を覗きこめば、ソファに仰向けで寝転ぶきっくんさんの姿が見えた。
片腕を目の上に乗せて、すぅすぅと寝息を立てている。どうやら相当お疲れのようだ。
わたしみたいな一端の撮影スタッフでは計り知れないほどの気力と疲労を感じて、なんだか起こすのが躊躇われる。
でも、起こさないとディレクターに怒られるのはわたしだ。
｢‥‥‥‥きっくんさん｣
意を決して、扉から声をかけた。
｢‥‥‥‥‥‥｣
｢‥‥きっくんさん、そろそろ、お願いします｣
｢‥‥‥‥‥‥｣
｢‥‥‥‥｣
だめだ、この距離では起きないか。
仕方なしに、彼が寝転ぶソファへと足を向ける。
近くまで寄れば、ふわりと香水のいい匂いがした。
｢きっくんさん、起きてください｣
｢‥‥‥‥｣
試しに揺さぶってみる。
あれれ、全然起きない。結構深い眠りに入っちゃってるのかな。
ちょっと強めに揺する。
｢きっくんさん、お時間です！お疲れの所申し訳ありませんが、起きて頂けますか！｣
｢‥‥‥‥んんー｣
やがて、目を隠していた腕が少しずれて、ちらりとこちらを見るきっくんさん。なんだかとても迷惑そうな顔をしたあと、
｢‥‥なんだ、Aちゃんか｣
わたしの顔を見て、ふ、と笑ってまた目を隠した。
｢‥‥‥‥いやいやいや、起きてください｣
｢‥‥‥‥もうちょっと｣
｢もうみなさんお待ちですよ、行きましょ｣
｢‥‥やー｣
｢(子どもか)｣
どうにもこのMSSPの方々は、わたしを軽視してる感が否めない。とくにあろまさんときっくんさんは酷い。
むう、と眉を潜めていると。
｢キスしてくれたら起きるー｣
相変わらず目を伏せたまま、そんなことを言い出した。
｢‥‥‥‥‥‥はぁっ！？｣
｢ほら、早くしないとまた寝ちゃうよ｣
｢なに言ってるんですか！セクハラです！｣
｢ディレクターに怒られるぞー｣
｢冗談言ってないで早く起きてください！｣
ぐい、と無理やり腕を引けば、ちぇー、なんて言いながら笑っている。
もう！撮影の度にこれじゃ心臓が持たないよ！
(ドキドキした？)
(しません！)
(顔真っ赤！かーわーいーいー)
(からかわないでください！)
(次こそはキスして起こしてね)
(寝言は寝て言ってください！！！)
(‥‥‥‥結構本気なんだけどな)
→
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こばやし(プロフ) - ななみんさん» コメント、リクエストありがとうございます！他の読者の方々からもきっくん落ちは多数ご希望がありましたので、いまきっくん落ち夢の計画をねりねりしております！今月中には執筆開始できると思いますので、気長にお待ち頂ければ幸いです！ありがとうございます！ (2017年6月3日 17時) (
レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
ななみん - リクエストと言うか、もし良ければ書いていただきたいな、と思っているのですが。きっくんのアダルティーな作品、大人な部分が見える様なSな1面が見られる話を良ければ書いていただきたいのです。良ければ (2017年6月1日 11時) (レス) id: e724a3548f (このIDを非表示/違反報告)
ななみん - 初めまして！こばやしさんの作品、とても面白くて好きです！ 個人的にはアダルティーな感じが好きでありまして、不条理の作品は見ていてハラハラドキドキできて、一気読みした作品です！えおさんの学パロもとても素敵な作品でした！ 次の更新も楽しみにしていますね！ (2017年6月1日 10時) (レス) id: e724a3548f (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です！ありがとうございます……！サボらないように頑張ります！笑 (2017年5月29日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
FB厨 - 毎日違うこばやしさんの話を読めて幸せです！更新頑張ってください！ (2017年5月28日 18時) (レス) id: 94e1868e74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年5月18日 12時
