第42話(A side) ページ42
ひとつ、大きな深呼吸が聞こえてきて。
ゆっくりと、焦らすように、こちらを見上げるその顔を見て。
俺はうっ、と、息を飲んだ。
｢‥‥な、なんですか｣
耳が、唇が、頬が、赤い。
形の良い眉は、迷惑そうに歪められていて、だけどその瞳は、俺を映したままゆらゆらと潤んで揺れている。
見ろと言ったのは俺だけど。
思わず、目をそらしたくなった。
｢‥‥な、‥‥なんつー顔してんだ、お前‥‥｣
｢う、うるさいですね！だから見られないようにしてたのに｣
｢ちょ、ちょっと待て、なに、なんでそんな赤ぇの？具合悪いのか？｣
｢なんでもないです！！｣
また俯くA。
具合悪いのかなんてふざけた質問しなくたってわかっていた。
こいつ、多分。
まだ俺のこと、好きだ。
｢‥‥ご存知かもしれませんけど｣
｢お、おう｣
髪で隠れた横顔。
その手は、ぎゅっと握りしめられていて。
｢‥‥わたし、あろまさんに‥‥片想い、してるから‥‥｣
声まで震えている。
｢でも、ちょっと、一目惚れから、進化しちゃってて、｣
進化ってなんだおい。ポケモンか。
｢‥‥一緒にいる、だけで、恥ずかしい‥‥です｣
ちらりと、こちらの反応を伺うこいつは。
俺の心臓を鷲掴んで、離さなかった。
｢収録前に、自販機の前で台本読んでたのも、ここにいればもしかしたらあろまさんが通るかなって、思って、｣
｢‥‥‥‥お前｣
｢いいんです！もう、それでいいから！あろまさんの気持ちはなんとなくわかるから、ご迷惑はもう、おかけしません。不用意に近付いたりはしないから、だから、｣
好きでいることを、許してください。
こいつは、誰になにを言っているのだろうか。
一目惚れから進化したら、顔を見るのも恥ずかしいくらいの好きになったと？
迷惑かけねーから好きでいさせてくれと？
馬鹿じゃなかろうか。
｢おいお前｣
｢‥‥はい｣
トーンの落ちた返事。
拒否されるとでも思っているのだろうか。
怒られるとでも思っているのだろうか。
ああそうだ。
俺はいま、あまりにも自分勝手なお前の片想いに振り回されて、めちゃくちゃ腹が立っている。
｢お前のせいで俺がどんだけ悩んだかわかってんのかオイコラクソアマ｣
｢‥‥すみません｣
｢謝る前にまず目を見ろバカタレ｣
｢‥‥はい｣
再び向けられた顔は、やはり赤い。
以前、好き好き言ってたこいつとは比べ物にならないくらい。
瞳から、��好き��が伝わってくる。
→
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こばやし(プロフ) - ものっくすさん» いつもありがとうございます！いつも元気と活力を頂いております！ご期待にそえられるよう、続編は出来るだけ前向きに検討させていただきます！これからも頑張ります、ありがとうございます！ (2017年5月19日 21時) (
レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - みさこさん» コメントありがとうございます！思ったよりも続編へのご希望が多くて感謝感激でございます！気長にお待ちいただければ幸いです！ありがとうございます！ (2017年5月19日 21時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
ものっくす(プロフ) - お疲れ様でした（ ｉ _ ｉ ）最高によかったです〜〜二人の続きのおはなし期待です！！新作の方も頑張ってください応援してます！！ (2017年5月18日 21時) (レス) id: 4434e0f296 (このIDを非表示/違反報告)
みさこ(プロフ) - 完結お疲れ様でした！一言で言うと最高です。。。2人のその後期待しております（。。） (2017年5月18日 21時) (レス) id: 2f6f217909 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - 春乃さん» いつもコメントありがとうございます！今回も大分苦しい戦いでした……笑 いつも最後までお付き合いいただき光栄でございます！続編は今のところ迷っています…次回作も何卒よろしくお願い致します！ (2017年5月18日 20時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年5月12日 3時
