【MSS.P】ちらりずむ･りたーんず【あろま.ほっと】

第40話(A side) ページ40

３点先取のこのゲーム。
お互い1歩も譲らず、2対2まで来てしまった。


｢なかなかやりますねあろまさん！こんなに熱い試合は初めてだぜ‥‥！｣
｢いや、俺とお前で最下位争いしてるの忘れてない？｣

無駄に闘争心を燃やすA。
まぁ、楽しそうでなによりです、はい。

｢はーいはーい！ここでちょっとルール変更しまーす！！｣
｢え、なに｣

またきっくんが手を挙げ始めた。今度はなんだ。
てゆかルールより先に罰ゲームを変更してくれ。

｢最後は、いいとこじゃなくてお互いの直して欲しいところにしよう！！｣
｢‥‥はい？｣
｢もう番組共演も長いことやってて、そろそろお互い不満とかあるでしょ？今度はそれ！そっちを言い合う！｣
｢めんどくさ‥‥｣
｢文句言わない！ほら！｣

何故か楽しそうなきっくん。こいつ、若干面白がってねーか？

しかし拒否する理由もないので、大人しく画面に向き直る。

不満、ねぇ‥‥。


｢サーブ、あろまさんですよ｣
｢おう｣

なにはともあれ、このラリーで罰ゲームが決まる。
もうなんでもいいや、時間も押してるし、さっさと決めよう。



｢声がでかい｣

サーブを打ち込む。




｢いじわる！｣

なんだと？




｢すぐ落ち込む｣

すぐ泣くし。




｢言葉遣いが悪い！！｣

おい、それ本音だな？




｢困るとすぐ笑って誤魔化そうとする！｣

すげーむかつくんだよ。




｢怒ると目つきで威嚇してくるからめっちゃ怖い！！｣

威嚇してねーよ！




｢弱虫でへたれのくせに調子のるからだ！｣


いつもいつも！


｢あろまさんこそ怒ったり冷たくしたり天の邪鬼のくせに！｣

お前天の邪鬼の意味わかってんのか！


｢お前が素直じゃねーからだろ！！｣

だから俺がいつも振り回されてんだよ！


｢そうやっていつもわたしのせいにする！！！｣

｢お前が変な勘違いしなきゃスムーズにいくことばっかなんだよ！｣

｢勘違いさせてるのはあろまさんじゃないですか！！｣

｢お前が勝手に思い込んで勝手に落ち込んでるだけだろ！｣
｢落ち込んでるのわかっててなんで追い詰めるようなことするんですか！！｣
｢追い詰めねーとお前何も言わねーだろうが！｣
｢だってあろまさんの気持ちもかわかんないのに何を言えって言うんですか！！｣
｢だから言ってるだろ！！俺はお前に、｣



｢ストップ｣



目の前に手のひらが出てきて、はっとした。
横を見れば、えおえおがいて。



ゲームは、とうに終わっていた。


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