独占ヨク/3 ページ5
「Aちゃん、チョット……」
「え、変かな?」
「いや、可愛い…けど!」
くるりと回ってスカートを揺らすと、しゅうさんはまさしく、“全身を舐めまわすように”視線を這わせた。
「なにそんなに気合い入れてるんすか」
「気合い入れてるように見える?」
「見えますよ!いつもスカートなんて履かないのに」
そんなに可愛いスカート初めてみましたケド。としゅうさんが口をとがらす。
確かにスカートなんて年に何度かくらいしか履いてこなかったなあと思う。
「Aちゃんの貴重なスカート姿……」
「…しゅーさんってスカート好きだったっけ?」
「好きな子のスカート姿が好きじゃないオトコなんて居ないでしょー」
「そうなの? てっきりしゅーさんはショーパン派だと思ってたなあ」
「ショートパンツも好きですよ、もちろん。というかAちゃんが着るなら何でもストライクです」
「ふふ……」
あ、今恥ずかしいこと言っちゃいましたね…としゅうさんが笑う。 つられて笑うと頭を軽く撫でられた。
「送りますよ」
「え?いいよ…、仕事残ってるでしょ?」
「少しなんで大丈夫です、それよりおれの彼女の方が可愛くて心配なので…」
サラリとキザなセリフを吐いて、しゅうさんはグレーのパーカーを羽織る。
あ、送るの確定なんだ……、嬉しいけど。
━━━━━━━……
「知らない人に声掛けられても付いてっちゃダメですからね」
カチャリとギアをパーキングに入れて、しゅうさんが手を握った。 子供じゃあるまいし……と笑うと、デコをつつかれる。
「もー、Aちゃん可愛いんですから、今日は特に足! おれは心配です、ホント。 キスマーク付けていいですか」
「ワー!ダメです!ダメだよ!恥ずかしいでしょ!」
「え〜」
スリスリと太ももを摩るしゅうさん。
まずい、しゅうさんのスイッチが入ると長くなる。
「ありがと、しゅうさん!」
ちゅ、とほっぺにキスをしてそそくさと車をおりた。
我ながら恥ずかしい事をした、と、ぎこちない笑顔で車の中のしゅうさんを見る。
「……もう。帰ってきたら仕返ししちゃいますからね」
久しぶりに見た照れ顔のしゅうさんは、なんだか可愛くて、それでいて雄で。 ……ちょっとだけ車に戻りたくなってしまった。
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作者名:ゆうさん | 作成日時:2021年7月22日 23時