お仕事ちゅう/3 ページ3
カタカタとノートパソコンに文字をタイプしていく。
仕事なんて持ち帰るんじゃなかったなあと後悔しつつ、背後から抱きしめるように座る彼の頭を撫でた。
もぞりとみじろぐその男は、ウーンと可愛い声で鳴く。
「ふふ…………」
わずかに笑を零しながらも、仕事を片付けるべくキーボードをたたきつづける。
方カタカタカタ……。…………。
…………。
…。
「…ははあ、わかりました」
「な、何いきなり……」
しゅうさんがもたれている肩にぐりぐりと額を擦った。
「Aちゃんが考えてるコト」
ふふふ、としゅうさんが笑う。
顔は見えないものの、にたりとした悪ガキのような表情が目に浮かぶ。
「ふふ、なんだった?」
「しゅーさんとキスしたいって考えてましたね」
えー?とPCから目を離すと、大きな手のひらが優しく頬を包んで唇を奪われた。
ちゅっちゅと数回重ねると、しゅうさんはがっくりと肩を落とす。
「はー、ダメだ。もっとしたくなっちゃいますもん」
ウ〜とまた額を押し付けられた。
大きくて頼りになって優しいしゅうさんの、こういう所がたまらなく好きだ。
「Aちゃん仕事中なのに…、ダメですか?」
「う…」
しゅうさんもそれを知っててこうして攻めてくる。
だめなわけない……のに。
なんだかしゅうさんの思惑通りな気がして、ムッと頬を膨らます。
「あと少しだけ待ってて」
「ウー!いつもなら絆されてくれるのに、おかしい……」
「ふふふ…、そういつも思い通りにいかないよ」
「Aちゃん、今日はなんだか小悪魔ですね…」
しゅうさんの大きな手のひらがさすさすと太ももを撫でた。
21人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆうさん | 作成日時:2021年7月22日 23時